定義
後過分極は、活動電位の終了後に膜電位が発火前より一時的に負へ偏る現象であり、速い成分、中間的な成分、遅い成分に分けられる。発火頻度順応は、一定の脱分極刺激が続いているにもかかわらず、発火頻度が時間とともに低下する性質である。後過分極、Na⁺チャネルの不活化、K⁺電流、Na⁺/K⁺ポンプ電流などが組み合わさって生じる。
イメージ
一度発火したニューロンには、短い冷却時間が生じる。発火が続くほど冷却効果が積み重なるため、刺激が一定でも最初は速く発火し、その後は間隔が広がる。これにより持続刺激よりも、刺激が始まった瞬間や変化した瞬間を強調できる。
仕組み
速い後過分極は主にBKチャネルなどの電位・Ca²⁺依存性K⁺電流によって数ミリ秒の範囲で生じ、活動電位の再分極と次の発火時刻を整える。中間的な後過分極にはSKチャネル、M電流、Na⁺依存性K⁺電流などが関与し、数十〜数百ミリ秒続く。遅い成分は細胞種により機序が異なり、反復発火で蓄積したCa²⁺、細胞内情報伝達、Na⁺/K⁺ポンプ電流などが秒単位の順応を形成する。さらに、Na⁺チャネルの遅い不活化は利用可能なチャネル数を減らし、発火閾値を上げる。アセチルコリンなどの神経修飾物質は、ムスカリン受容体を介してM電流を抑えることで順応を弱め、同じ入力に対する持続発火を可能にする。
例
皮質錐体細胞へ一定の電流を注入すると、初めは短い間隔で活動電位が発生するが、次第に発火間隔が広がる。アセチルコリンによってM電流が抑制されると、この発火頻度順応が弱まり、注意や作業記憶に必要な持続的発火を保ちやすくなる。