概念図鑑
疾患・症状・薬・検査をつなぐ医学概念を、定義とイメージから確認できます。
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減数分裂不分離と異数性
減数分裂で相同染色体または姉妹染色分体が正しく分離しないと、染色体数の多い・少ない配偶子が生じ、受精後の異数性につながる。
最小発育阻止濃度と最小殺菌濃度
最小発育阻止濃度は細菌の目に見える増殖を抑える最低濃度、最小殺菌濃度は初期菌数の99.9%以上を殺菌する最低濃度である。
血栓形成と血栓の転帰
血栓は生体内で形成される血小板・フィブリン主体の固形塊であり、増大、塞栓化、溶解、器質化・再疎通という転帰をとる。
充血とうっ血
充血は細動脈拡張による能動的な血液流入増加、うっ血は静脈還流障害による受動的な血液流出低下であり、色調・酸素化・組織障害が異なる。
補体制御
補体制御は、C1阻害因子、H因子・I因子、CD55、CD46、CD59などが補体の開始・増幅・膜障害を段階的に抑え、自己細胞を守る仕組みである。
粘膜免疫と分泌型IgA
粘膜免疫は、上皮・粘液・常在菌・局所リンパ組織を統合し、分泌型IgAによって強い炎症を起こさずに病原体の付着や毒素作用を防ぐ。
フェロトーシス
フェロトーシスは、鉄に依存するリン脂質過酸化が細胞の抗酸化防御を上回り、細胞膜機能が破綻して生じる制御性細胞死である。
ネクロプトーシス
ネクロプトーシスは、カスパーゼ8が十分に働かない条件などでRIPK1–RIPK3–MLKL経路が作動し、膜破綻と炎症を起こす制御性壊死である。
インフラマソームとパイロトーシス
インフラマソームは細胞内の感染・損傷シグナルを感知してカスパーゼ1を活性化し、IL-1β・IL-18の成熟とガスダーミンD依存性のパイロトーシスを誘導する。
聴覚変換と蝸牛の周波数局在
聴覚変換は、蝸牛内の機械振動を有毛細胞の受容電位へ変換し、基底膜上の場所によって音の周波数を高音から低音へ並べて表現する仕組みである。
視覚の光変換
視覚の光変換では、光を受けた視物質がトランスデューシンとPDEを活性化し、cGMPを減少させて視細胞を過分極させる。
肺気量分画
肺気量分画は、一回換気量、予備吸気量、予備呼気量、残気量と、それらの和で表す肺活量、機能的残気量、全肺気量などから肺の換気特性を整理する枠組みである。
脈波伝播と反射波
脈波は心室駆出による圧変化が動脈壁を伝わる現象で、末梢から戻る反射波の時相と大きさが中心大動脈圧と心臓後負荷を左右する。
プリンヌクレオチド合成とサルベージ
プリンヌクレオチドは、リボース5リン酸上にプリン環を組み立てる新生合成と、遊離塩基を再利用するサルベージ経路によって供給される。
インテグリンと細胞–基質接着
インテグリンは細胞外基質と細胞骨格を結び、接着だけでなく、力学刺激と化学シグナルを双方向に伝える膜受容体である。
タンパク質フォールディングと分子シャペロン
タンパク質フォールディングは新生ポリペプチドが機能的な立体構造を得る過程で、分子シャペロンが凝集を防ぎ、再折り畳みと品質管理を補助する。
効果修飾
効果修飾は、曝露や治療と転帰の関連の大きさまたは方向が、第三の因子の水準によって異なる現象である。
バイオフィルムとクオラムセンシング
バイオフィルムは微生物が細胞外基質に包まれて表面へ定着する集団構造で、クオラムセンシングは細胞密度に応じて遺伝子発現をそろえる情報伝達機構である。
腫瘍血管新生
腫瘍血管新生は、腫瘍内の低酸素や増殖因子によって既存血管から新しい血管が伸び、腫瘍の増大と転移を支える過程である。
小胞体ストレスとオートファジー
小胞体ストレス応答とオートファジーは、折り畳み不全タンパク質や傷害小器官を処理し、細胞内恒常性を回復させる相補的な品質管理機構である。
呼吸器系の時定数
呼吸器系の時定数は、ある肺単位が吸気・呼気でどの速さで充満・排出するかを表し、気道抵抗とコンプライアンスの積で決まる。
動的気道圧迫と等圧点
動的気道圧迫は努力性呼気で胸腔内圧が気道内圧を上回り、胸腔内気道が狭窄する現象で、等圧点の位置と肺弾性収縮圧が最大呼気流量を決める。
AUC・Cmax・Tmax
AUCは薬物への総曝露量、Cmaxは観測された最高血中濃度、Tmaxはその濃度へ達するまでの時間を表す薬物動態指標である。
負荷投与量と維持投与量
負荷投与量は目標濃度へ速やかに到達するための初期量、維持投与量は消失する薬物を補い目標濃度を保つための反復量である。
薬力価と最大効能
薬力価は一定の反応を得るために必要な用量・濃度、最大効能は薬物が生じ得る反応の上限を表し、両者は別の性質である。
競合的拮抗
競合的拮抗は、作動薬と拮抗薬が同じ受容体結合部位を可逆的に競い、拮抗薬濃度に応じて作動薬の用量反応曲線を右方へ移動させる現象である。
浸潤・転移カスケード
浸潤・転移カスケードは、腫瘍細胞が原発巣を離れ、組織境界と脈管を越えて移動し、遠隔臓器へ定着して増殖するまでの多段階過程である。
対向流交換系
対向流交換系は、腎髄質の直血管を逆向きに流れる血液間で水と溶質を受動交換し、髄質の高浸透圧環境を保ちながら血流を維持する仕組みである。
運動単位の動員
運動単位の動員は、必要な筋力に応じて活動する運動単位を増やし、各運動単位の発火頻度も調節して筋張力を段階的に変える仕組みである。
血液脳関門
血液脳関門は、脳毛細血管内皮の密着結合と選択的な輸送・排出機構により、血液から脳実質へ移動する物質を厳密に制限する防御機構である。
抗菌薬後効果(PAE)
抗菌薬後効果は、抗菌薬濃度が最小発育阻止濃度未満へ低下した後も、細菌の再増殖が一定時間抑制される現象である。
因果ダイアグラムとコライダーバイアス
因果ダイアグラムは変数間の因果関係を矢印で表し、交絡因子、媒介因子、コライダーを区別して、調整すべき経路と避けるべき調整を判断する。
がん遺伝子依存性と適応抵抗性
がん遺伝子依存性は腫瘍が特定の増殖・生存信号へ強く依存する状態であり、標的阻害後には迂回経路の活性化による適応抵抗性が生じ得る。
細胞外基質リモデリングとMMP
細胞外基質リモデリングは、MMPによる分解と線維芽細胞による再合成を調整し、発生、創傷治癒、線維化、腫瘍浸潤を制御する。
細胞内蓄積と色素
細胞内蓄積は、物質の流入、合成、折り畳み、輸送、分解の不均衡によって、脂質、タンパク質、糖質、色素などが細胞内へたまる病理学的変化である。
脂肪変性と脂肪毒性
脂肪変性は非脂肪組織へトリグリセリドが蓄積する変化であり、脂肪毒性は反応性脂質が細胞内情報伝達や小器官を障害する状態である。
異栄養性石灰化と転移性石灰化
異栄養性石灰化は障害・壊死組織へ局所的に生じ、転移性石灰化は高Ca²⁺・高リン環境によって比較的正常な組織へ広く生じる。
アミロイドのクロスβ構造と沈着
アミロイドは異なる前駆タンパク質が共通のクロスβ構造へ誤折り畳みし、不溶性線維として細胞外へ沈着する病理学的物質群である。
免疫特権
免疫特権は、炎症による機能損失が大きい組織で、物理的障壁と局所抑制機構を組み合わせ、免疫反応の強さと種類を制限する性質である。
RIG-I–MAVS経路
RIG-I–MAVS経路は細胞質のウイルスRNAを感知し、ミトコンドリア外膜上のMAVSへ信号を集約してインターフェロン応答を起こす。
cGAS–STING経路
cGAS–STING経路は細胞質へ現れたDNAを検知し、cGAMPとSTINGを介してI型インターフェロンと炎症応答を誘導する。
リンパ球ホーミングと高内皮細静脈
リンパ球ホーミングは、セレクチン、ケモカイン、インテグリンを順に利用し、リンパ球をリンパ節や特定組織へ選択的に移動させる。
免疫シナプス
免疫シナプスはT細胞と抗原提示細胞などの接触面に受容体、接着分子、細胞骨格を再配置し、情報伝達と方向性分泌を制御する。
V(D)J再構成と接合部多様性
V(D)J再構成はV・D・J遺伝子断片を体細胞DNA上で組み替え、接合部の塩基追加・削除と組み合わせてB細胞・T細胞受容体の多様性を作る。
腸内細菌叢と短鎖脂肪酸
腸内細菌は難消化性炭水化物を酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸へ発酵し、腸上皮、免疫、全身代謝を調節する。
腸管の水・電解質輸送
腸管ではNa⁺・栄養素の吸収とCl⁻分泌の差し引きによって浸透圧勾配が生じ、水の正味吸収または分泌が決まる。
胆汁生成と毛細胆管輸送
肝細胞は胆汁酸、リン脂質、コレステロール、抱合ビリルビンなどを毛細胆管へ能動輸送し、水・電解質を伴う胆汁流を作る。
膵腺房・導管分泌
膵外分泌では、腺房細胞が消化酵素を、導管細胞がHCO₃⁻と水を分泌し、食物消化と胃酸中和に適した膵液を作る。
胃酸分泌の細胞機構と調節
胃酸は壁細胞のH⁺/K⁺-ATPアーゼから分泌され、ヒスタミン、アセチルコリン、ガストリンが相乗的に促進し、ソマトスタチンなどが抑制する。
空腹期伝播性収縮波
空腹期伝播性収縮波は、絶食中の胃・小腸を周期的に遠位へ進み、非消化性残渣や細菌を掃き出す運動パターンである。
腸管神経系と蠕動反射
腸管神経系は消化管壁内で感覚、情報統合、運動出力を担い、蠕動反射では内容物の口側を収縮、肛門側を弛緩させる。
消化管スローウェーブとカハール介在細胞
カハール介在細胞が作る消化管スローウェーブは、平滑筋が活動電位を発生できる周期的な時間窓を作り、収縮頻度の上限を決める。
腎尿酸輸送
尿酸は糸球体で濾過された後、近位尿細管で再吸収と分泌を繰り返し、URAT1、GLUT9、OAT、ABCG2などにより最終排泄量が決まる。
K⁺の細胞内外移動
K⁺の細胞内外移動は、体内総K⁺量を変えずに細胞内貯蔵と細胞外液の間でK⁺を再分布させ、血清K⁺を急速に変化させる。
遠位K⁺分泌と流量依存性
遠位ネフロンでは、Na⁺再吸収が作る管腔内陰性電位と尿流量を利用してK⁺を分泌し、アルドステロンと遠位Na⁺到達量が調節する。
腎酸素化と髄質低酸素
腎臓は高血流臓器である一方、外髄ではNa⁺再吸収の酸素需要と血流制限が重なり、生理的に低酸素で虚血に弱い。
糸球体濾過障壁と選択的透過性
糸球体濾過障壁は有窓内皮、糸球体基底膜、足細胞のスリット膜からなり、水・小分子を通しながら血球と大分子タンパク質を保持する。
ネフロン分節別Na⁺輸送
ネフロン各分節は異なるNa⁺輸送体を用い、近位部で大量回収し、Henle上行脚で髄質勾配を作り、遠位部で排泄量を微調整する。
呼吸ドライブと負荷–能力バランス
換気は、呼吸中枢からの神経出力、呼吸筋が発生できる力、気道・肺・胸壁が作る負荷の釣合いによって決まる。
臨界酸素供給量と供給依存性
酸素供給量が低下しても、組織は酸素抽出率を上げて酸素消費量を保つが、臨界点を下回ると酸素消費量も供給量に依存して低下する。