定義
アミロイドは、正常または変異タンパク質が本来の立体構造を失い、β鎖が線維軸に対して直角方向へ並ぶクロスβ構造を持つ不溶性線維として沈着した物質の総称である。前駆タンパク質はAL、AA、ATTR、Aβなど病型ごとに異なるが、コンゴーレッド染色陽性、偏光下の黄緑色複屈折、細線維状の超微形態など共通の性質を示す。
イメージ
材料となるタンパク質は違っても、誤って折り畳まれた分子が同じ向きに積み重なり、壊れにくい長い線維を作ると考える。完成した線維が組織を圧迫するだけでなく、形成途中の小さな可溶性集合体が細胞膜やシナプスへ強い毒性を持つこともある。
仕組み
前駆タンパク質の過剰産生、遺伝子変異による不安定化、不完全な分解、加齢に伴うタンパク質恒常性低下によって誤折り畳み分子が増える。最初の核形成には時間を要するが、一度種となる線維ができると、単量体が次々に付加して線維が伸長する。線維断片は新しい種となり、沈着を拡大させる。血清アミロイドP成分やグリコサミノグリカンは沈着を安定化する。細胞外沈着は組織構築と微小循環を障害し、可溶性オリゴマーは膜透過性変化、小胞体ストレス、ミトコンドリア障害を起こし得る。局所型と全身型があり、治療方針を決めるには前駆タンパク質の同定が必要である。
例
形質細胞クローン由来免疫グロブリン軽鎖はALアミロイド、慢性炎症で増える血清アミロイドAはAAアミロイド、トランスサイレチンは遺伝性または加齢性ATTRアミロイドを形成し得る。脳ではAβやタウが異なる形で蓄積する。