定義
リンパ球ホーミングは、血中リンパ球が血管内皮の接着分子とケモカインの組合せを読み取り、目的のリンパ組織または末梢組織へ移行する過程である。未感作T細胞・B細胞は主にリンパ節の高内皮細静脈から入り抗原を探索する。活性化後のエフェクター細胞・記憶細胞は表面受容体の組合せを変え、皮膚、腸管、炎症組織などへ選択的に移動する。
イメージ
血管内を流れる免疫細胞が、組織ごとの住所表示を照合して降車する仕組みである。セレクチンで速度を落とし、内皮上のケモカインで行き先を確認し、インテグリンを高親和性へ切り替えて停止した後に血管外へ出る。
仕組み
未感作リンパ球のL-セレクチンCD62Lは、高内皮細静脈に発現する末梢リンパ節アドレシンへ結合してローリングを起こす。内皮表面のCCL19とCCL21がCCR7を刺激すると、細胞内からの信号でLFA-1の親和性が急速に上がる。LFA-1とICAMの結合によって強固に停止し、内皮間を通過してリンパ節内へ入る。T細胞はCCL19/21に沿ってT細胞域へ、B細胞はCXCR5–CXCL13系により濾胞へ移動する。腸管ではα4β7インテグリン–MAdCAM-1とCCR9、皮膚ではCLAとCCR4・CCR10などの組合せが関与する。リンパ節からの退出はスフィンゴシン1リン酸濃度勾配とS1P受容体1で制御される。
例
樹状細胞から抗原刺激を受けたT細胞は増殖後、未感作細胞に特徴的なホーミング受容体を減らし、炎症組織に対応するケモカイン受容体とインテグリンを増やす。腸管で活性化されたリンパ球は、レチノイン酸の影響でα4β7とCCR9を発現しやすい。