定義
インテグリンはα鎖とβ鎖からなる膜貫通型受容体で、細胞外ではフィブロネクチン、ラミニン、コラーゲンなどへ結合し、細胞内ではタリン、キンドリン、アクチン骨格などと連結する。接着斑を形成して細胞の移動、形態、増殖、生存、止血、免疫細胞遊走を調節する。
イメージ
細胞が地面へ打ち込む可変式の留め具に例えられる。留め具は細胞内から締め付けを強めることも、地面から受けた力を細胞内へ伝えることもできる。
仕組み
休止状態のインテグリンは折れ曲がった低親和性構造をとる。細胞内シグナルによりタリンとキンドリンがβ鎖細胞質部へ結合すると、受容体が伸展して高親和性となる。この細胞内から外側への活性化は、血小板や白血球が必要な時だけ強く接着するために重要である。細胞外基質へ結合した後はインテグリンが集簇し、FAK、Src、Rho群などを介して細胞骨格再編成、増殖、生存、遺伝子発現を変える。この外側から細胞内への情報伝達により、細胞は基質の硬さや張力も感知する。 接着斑ではアクチン–ミオシン張力がインテグリンを介して細胞外基質へ伝わり、基質側からの抵抗も細胞骨格へ戻る。この力学的な往復によって、同じ増殖因子刺激でも基質の硬さに応じて増殖・分化・遊走の応答が変化する。
例
血小板では刺激によりGPIIb/IIIaが高親和性化し、フィブリノゲンを介して血小板凝集を起こす。白血球ではケモカイン刺激がインテグリンを活性化し、血管内皮への強固な接着と組織内移行を可能にする。