定義
免疫シナプスは、T細胞と抗原提示細胞、または細胞傷害性リンパ球と標的細胞の接触面に形成される動的な分子配置である。ペプチド–MHC複合体とT細胞受容体の認識、CD28による共刺激、LFA-1とICAMによる接着、脱リン酸化酵素の排除、アクチン細胞骨格の再編成を統合し、情報伝達の強さ、接触時間、サイトカインや細胞傷害顆粒の方向性放出を調節する。
イメージ
免疫細胞同士がただ触れるのではなく、接触面に受容体、接着分子、情報伝達装置を並べ直して専用の会議室を作ると考える。標的の情報を集中して読み取り、細胞傷害物質は周囲へ漏らさず標的側へ向けて放出する。
仕組み
初期接触ではT細胞受容体の微小集合体がペプチド–MHC複合体を認識し、CD4またはCD8に結合するLck、ZAP-70、LATを介して情報伝達を開始する。アクチンの後方流動が集合体を中央へ運び、典型的な成熟免疫シナプスでは中央領域にT細胞受容体とCD28、周辺領域にLFA-1とICAM、外側にアクチンに富む領域が形成される。ただし、構造は細胞種と時間によって変わり、強い情報伝達は中央集積前の微小集合体で起こることが多い。細胞傷害性T細胞やNK細胞では、中心体とゴルジ体が接触面へ向きを変え、パーフォリンとグランザイムを標的側へ局所放出する。抑制性受容体と脱リン酸化酵素も同じ接触面で活性化閾値を調節する。
例
未感作T細胞は樹状細胞表面を探索し、適切なペプチド–MHC複合体と共刺激を認識すると接触を安定化させ、クローン増殖へ進む。細胞傷害性T細胞は標的を殺傷後に接触を解除し、次の標的へ移って連続的に殺傷することがある。