定義
減数分裂不分離は、減数第1分裂で相同染色体が、または減数第2分裂で姉妹染色分体が反対極へ分かれず、同じ極へ移動する現象である。異常な配偶子が正常配偶子と受精すると、特定染色体が1本多いトリソミーや1本少ないモノソミーなどの異数性を生じる。
イメージ
対になった染色体を二つの箱へ分ける仕分け工程を考えるとよい。二本が同じ箱へ入ると、一方の箱は1本多く、他方は1本不足する。どの分裂段階で誤るかによって、正常配偶子が残るか、すべてが異常になるかが異なる。
仕組み
減数第1分裂不分離では、相同染色体が分離せず同じ極へ移動する。その後の第2分裂が正常でも、形成される配偶子はすべて染色体数が異常となり、n+1配偶子とn−1配偶子がそれぞれ生じる。減数第2分裂不分離では、一方の細胞で姉妹染色分体が分離せず、正常配偶子2個、n+1配偶子1個、n−1配偶子1個が生じる。相同染色体間の組換え位置、姉妹染色分体を保持するコヒーシン、動原体と紡錘体の結合、紡錘体チェックポイントが正確な分配を支える。卵母細胞は胎児期から長期間、減数第1分裂前期で停止するため、加齢に伴うコヒーシン機能低下などが不分離リスクへ関与する。受精後の有糸分裂で不分離が起こると、正常細胞系と異常細胞系が混在するモザイクとなり得る。染色体が分裂後期に取り残されて失われる後期遅滞も、異数性やモザイクの原因となる。
例
21番染色体の不分離によって21トリソミーが生じ得る。受精後早期の有糸分裂不分離では、一部細胞のみが染色体数異常をもつモザイク型となり、異常細胞の割合と分布によって表現型が変わり得る。