概念図鑑
疾患・症状・薬・検査をつなぐ医学概念を、定義とイメージから確認できます。
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異形成と退形成
異形成と退形成は、異形成が上皮内の細胞・構築異型を示す前腫瘍性変化、退形成が悪性腫瘍の著しい分化喪失を示す点で異なる。
化生
化生は、慢性刺激に適応して成熟細胞型が別の成熟細胞型へ置き換わる可逆的変化で、防御性を高める一方、固有機能低下と発がんリスクを伴う。
萎縮
萎縮は、細胞サイズ低下と場合によって細胞数減少により組織・臓器が小さくなる適応で、負荷低下、栄養不足、虚血、神経支配消失などで起こる。
過形成
過形成は、増殖可能な細胞の数が増えて組織・臓器が大きくなる適応で、ホルモン刺激、代償、過剰増殖因子により起こる。
虚血再灌流障害
虚血再灌流障害は、血流再開で酸素と炎症細胞が戻る際にROS、Ca2+過負荷、補体、ミトコンドリア障害が増幅し追加傷害を起こす現象。
融解壊死
融解壊死は、加水分解酵素による組織消化が優位となり、壊死部が液状・粘稠化する形態で、脳梗塞と化膿性炎症に典型的。
アポトーシス
アポトーシスは、カスパーゼ依存性に細胞が縮小・断片化し、内容物を漏らさず貪食される制御された細胞死で、通常炎症が軽い。
可逆性細胞障害と不可逆性細胞障害
可逆性細胞障害と不可逆性細胞障害は、ストレス除去で回復可能な機能低下から、ミトコンドリア・膜障害が回復不能となり細胞死へ至る境界を示す。
創傷治癒・再生・線維化
創傷治癒・再生・線維化は、止血・炎症・増殖・再構築を経て組織を修復し、再生できない部分を細胞外基質と瘢痕で補う過程。
慢性炎症と肉芽腫形成
慢性炎症と肉芽腫形成は、原因が排除されない状況でマクロファージ・リンパ球・線維芽細胞が共存し、組織破壊と修復が同時進行する反応。
急性炎症と白血球動員
急性炎症と白血球動員は、血管拡張・透過性亢進に続き、好中球が辺縁化、ローリング、接着、血管外遊走、走化を経て障害部位へ集まる反応。
中枢性・末梢性免疫寛容
中枢性・末梢性免疫寛容は、自己反応性リンパ球を発生段階で除去・編集し、末梢で不応答・抑制・削除することで自己免疫を防ぐ仕組み。
免疫記憶
免疫記憶は、初回抗原曝露後に長寿命B・T細胞と長寿命形質細胞が残り、再曝露時により速く強く質の高い応答を起こす性質。
オプソニン化と貪食
オプソニン化と貪食は、IgGやC3bで標的を標識し、食細胞が受容体で認識して取り込み、ファゴリソソーム内で殺菌・分解する一連の防御反応。
補体活性化経路
補体活性化経路は、古典経路・レクチン経路・副経路が異なる認識機構から始まり、C3活性化と終末経路へ収束する自然免疫の増幅系。
自然免疫と獲得免疫
自然免疫と獲得免疫は、迅速なパターン認識による初期防御と、抗原特異性・クローン増殖・免疫記憶を持つ後期防御を連結する免疫系の二本柱。
線溶系
線溶系は、tPAなどがプラスミノゲンをプラスミンへ活性化し、不要になったフィブリン血栓を局所的に分解する止血後の制御機構。
凝固カスケードと細胞基盤モデル
凝固カスケードと細胞基盤モデルは、組織因子による開始、血小板表面での増幅・伝播、トロンビンバーストとフィブリン安定化を説明する二次止血の枠組み。
一次止血
一次止血は、血管損傷直後に血管収縮と血小板粘着・活性化・凝集が起こり、暫定的な血小板血栓を形成する過程。
ヘプシジンと鉄恒常性
ヘプシジンと鉄恒常性は、肝由来ヘプシジンがフェロポルチンを分解し、腸吸収・貯蔵鉄放出・赤血球鉄再利用を統合する仕組み。
造血幹細胞と血球分化
造血幹細胞と血球分化は、自己複製能を持つ造血幹細胞から赤血球、白血球、血小板が連続的に産生される階層的な造血システム。
PTH–ビタミンD–Ca/P恒常性
PTH–ビタミンD–Ca/P恒常性は、骨・腎・腸を連携させ、細胞外Ca2+を厳密に維持しながらリン酸バランスを調節する内分泌ネットワーク。
インスリン–グルカゴンスイッチ
インスリン–グルカゴンスイッチは、両ホルモンの相対的優位性が摂食時の貯蔵代謝と絶食時の動員代謝を切り替える代謝制御原理。
視床下部–下垂体軸
視床下部–下垂体軸は、神経情報を放出ホルモン、下垂体ホルモン、末梢標的腺ホルモンへ変換し、負のフィードバックで統合する内分泌制御系。
遊離ホルモンと結合蛋白
遊離ホルモンと結合蛋白の概念は、血中総ホルモン濃度と、受容体へ到達して生物活性を示す遊離分画を区別するための基本枠組み。
正のフィードバック
正のフィードバックは、出力がさらに入力を増強して反応を自己増幅し、分娩や凝固のように明確な終点へ急速に到達させる制御。
負のフィードバック
負のフィードバックは、出力の増加が上流の刺激を抑え、変数を目標範囲へ戻すことで恒常性を安定化する生体制御の基本原理。
内分泌・傍分泌・自己分泌
内分泌・傍分泌・自己分泌は、情報伝達物質が血流、近傍組織、自分自身のどこへ届くかで分類する細胞間シグナル伝達の基本概念。
腎血流・GFRの自動調節
腎灌流圧が変化しても腎血流量とGFRを一定範囲に保つ、筋原性反応と尿細管糸球体フィードバック。
呼吸調節と中枢・末梢化学受容器
延髄・橋の呼吸ネットワークが化学受容器、機械受容器、随意入力を統合し、換気をPaCO₂・pH・PaO₂へ適応させる。
低酸素性肺血管収縮
肺胞低酸素を局所肺細動脈が感知して収縮し、血流をより換気された領域へ振り向ける反応。
肺コンプライアンス
経肺圧変化に対する肺容量変化を示す伸展性で、肺実質弾性と表面張力により決まる。
シャント
換気されない肺領域を血液が通過する、または静脈血が肺胞ガスと接触せず動脈側へ混入する右左短絡。
換気血流比
肺胞換気量と肺血流量の比で、局所肺胞ガス組成と血液酸素化を決めるガス交換の中心概念。
解剖学的死腔と生理学的死腔
解剖学的死腔は伝導気道の換気、 生理学的死腔はそこに換気されるが灌流されない肺胞を加えた無効換気量。
リエントリー
興奮波が一方向性ブロックと遅延伝導のある回路を旋回し、回復した組織を反復再興奮させる頻拍機序。
心筋活動電位(速い反応と遅い反応)
作業心筋・Purkinjeの速い反応と洞結節・房室結節の遅い反応では、第0相担体と自動能、伝導特性が異なる。
局所血流の自動調節
灌流圧が変化しても臓器血流を一定範囲に保つ、筋原性反応と代謝性調節を中心とした局所機構。
一回拍出量
一回の心室収縮で駆出される血液量で、拡張末期容量から収縮末期容量を引いて求めるポンプ出力。
心筋収縮性
前負荷と後負荷から独立した心筋固有の力発生能力で、細胞内Ca²⁺動態と筋フィラメント反応性に規定される。
後負荷
心室が血液を駆出する際に越える負荷で、動脈圧・血管インピーダンス・心室壁応力を含む概念。
心室圧–容積ループ
一心拍の心室圧と容量の軌跡を用い、前負荷、後負荷、収縮性、拡張性、仕事量を統合して読む図。
心周期
心房・心室の収縮と弛緩、弁の開閉、圧・容量・血流・心音の時間的関係を一拍ごとに整理する基本枠組み。
滑走説
アクチンとミオシンの長さを変えずに相互滑走させ、サルコメアを短縮して筋収縮を生む理論。
自律神経反射弓
内臓感覚入力を中枢で統合し、節前・節後ニューロンを介して平滑筋、心筋、腺を自動調節する反射回路。
筋紡錘
骨格筋内に並列配置され、筋長と伸張速度をIa・II求心性線維で検出する固有感覚受容器。
伸張反射
筋が急に伸ばされると筋紡錘Ia求心性入力が同名筋α運動ニューロンを興奮させ、筋長を戻す短潜時反射。
受容器電位
感覚受容器で刺激強度に応じて生じる局所電位で、活動電位頻度または神経伝達物質放出量へ変換される。
跳躍伝導
髄鞘化軸索で活動電位がRanvier絞輪から次の絞輪へ再生され、高速かつ省エネルギーに伝導する方式。
時間的加重と空間的加重
複数の局所電位が時間的または空間的に重なり、軸索初節での膜電位と活動電位発生確率を決める統合原理。
興奮性・抑制性シナプス後電位
シナプス後膜のコンダクタンス変化が膜電位を発火へ近づけるEPSPまたは遠ざける・固定するIPSPを生む。
化学シナプス伝達
活動電位をCa²⁺依存性神経伝達物質放出へ変換し、受容体を介して次の細胞へ一方向性に伝える情報伝達。
局所電位
刺激の強さに応じて振幅が連続的に変化し、距離とともに減衰しながら加重できる局所的な膜電位変化。
活動電位
興奮性細胞で膜電位が閾値を超えた際に生じ、自己再生的に伝播する一過性の膜電位変化。
電位依存性イオンチャネル
膜電位変化を電位センサーが感知して開閉し、活動電位、神経伝達、筋収縮を担うイオンチャネル群。
ずり応力
流れる血液が血管内皮表面へ及ぼす接線方向の摩擦力で、内皮機能や血管径調節を規定する機械刺激。
浸透圧
溶質濃度差による浸透を止めるために必要な圧力で、体液分布や細胞容積を規定する定量的な駆動力。
浸透
半透膜を介し、溶媒である水が有効浸透圧の低い側から高い側へ移動して水の化学ポテンシャル差を小さくする現象。