定義
血中の脂溶性ホルモンの多くは、特異的結合蛋白やアルブミンに結合した結合型と、蛋白に結合していない遊離型として存在する。一般に遊離型が細胞へ移行し受容体へ作用しやすく、総濃度は遊離型と結合型の合計である。
イメージ
結合蛋白はホルモンを一時的に預かる貯蔵庫に似ている。倉庫にある量が増えても、店頭に出ている遊離型が同じなら、標的組織が受ける刺激は大きく変わらない。
仕組み
遊離ホルモンと結合型は可逆的平衡にあり、遊離分画が消費・代謝されると結合型から補充される。結合蛋白は水に溶けにくいホルモンの運搬、腎濾過からの保護、半減期延長、急激な濃度変化の緩衝に寄与する。結合蛋白濃度が増えると一時的に遊離型が低下するが、負のフィードバックによりホルモン産生が増え、新しい平衡では総濃度が上昇して遊離濃度が正常化することがある。検査解釈では総濃度と遊離濃度のどちらを測定したかを確認する。
例
妊娠やエストロゲン投与で甲状腺ホルモン結合蛋白が増えると、総T4は上昇し得るが、遊離T4と甲状腺機能は正常に保たれることがある。逆に低アルブミン血症では総濃度が低くても遊離分画が保たれる場合がある。