概念図鑑
疾患・症状・薬・検査をつなぐ医学概念を、定義とイメージから確認できます。
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自動能と撃発活動
自動能は自発的拡張期脱分極による発火性、撃発活動は先行活動電位に依存する後脱分極から生じる異常興奮。
冠灌流と心筋酸素需給
冠灌流と心筋酸素需給は、拡張期主体の冠血流と心拍数・収縮性・壁応力で決まる需要の均衡から心筋虚血を理解する枠組み。
活動性充血と反応性充血
活動性充血は組織代謝増加に伴う血流増加、反応性充血は一時的虚血解除後に不足分を補う一過性血流増加。
脳血流の自動調節
脳血流自動調節は、一定範囲の脳灌流圧変化に対し脳細動脈抵抗を変え、脳血流を比較的一定に保つ機構。
相反抑制
相反抑制は、主動筋を収縮させる運動指令と同時に拮抗筋を脊髄介在ニューロンで抑制し、滑らかな運動を可能にする回路。
受容野と側方抑制
受容野は一つの感覚ニューロンの活動へ影響する空間範囲で、側方抑制は周囲入力を抑えて位置・輪郭のコントラストを高める。
シナプス可塑性
シナプス可塑性は、活動履歴に応じてシナプス伝達効率が増減する性質で、学習・記憶、適応、神経回路再編の基盤となる。
膜の長さ定数と電気緊張性伝導
長さ定数は局所電位が軸索・樹状突起をどこまで減衰せず伝わるかを表し、受動伝導と跳躍伝導の効率を規定する。
膜容量
膜容量は、細胞膜が電荷を蓄える性質で、膜電位変化の速さ、局所電位の時間的加重、髄鞘化による伝導高速化を左右する。
時定数
時定数は、変化する系が最終値へ近づく速さを表す時間尺度で、膜電位、薬物濃度、換気などの指数関数的応答を統一的に説明する。
月経周期と排卵のフィードバック
月経周期は視床下部–下垂体–卵巣軸の負・正のフィードバックにより、卵胞発育、LHサージ、排卵、黄体期、月経を順序化する。
胎児循環と出生後循環移行
胎児循環は胎盤をガス交換臓器として卵円孔・動脈管・静脈管で肺と肝を迂回し、出生後の換気と臍帯遮断で直列循環へ移行する。
催奇形性の臨界期
催奇形性の臨界期は、胚・胎児が外因へ特に感受性を示す時期で、曝露時期により胚死亡、形態異常、発育・機能障害が異なる。
神経堤
神経堤は神経管背側から遊走する多能性細胞群で、末梢神経系、色素細胞、副腎髄質、頭蓋顔面組織などを形成する。
三胚葉
三胚葉は原腸形成で生じる外胚葉・中胚葉・内胚葉で、ほぼすべての組織・臓器の発生起源を整理する基本枠組み。
関連痛
関連痛は、内臓など実際の侵害刺激部位とは離れた体性領域に痛みを感じる現象で、脊髄での求心性入力の収束が基盤。
デルマトームとミオトーム
デルマトームは単一脊髄神経根が主に支配する皮膚領域、ミオトームは単一神経根が主に担う筋群・運動で、神経局在に用いる。
門脈系
門脈系は、一つの毛細血管床から出た血液が心臓へ戻る前に門脈を通り、別の毛細血管床へ再び流入する循環配置。
細胞間結合
細胞間結合は、上皮バリア、機械的接着、細胞間通信を担うタイトジャンクション、接着結合、デスモソーム、ギャップ結合などの総称。
実質と間質
実質は臓器固有の機能を担う細胞群、間質は細胞外基質・血管・支持細胞などからなる微小環境で、両者の相互作用が臓器機能を作る。
選択バイアスと情報バイアス
選択バイアスは研究参加・追跡過程で比較群が歪む偏り、情報バイアスは曝露・転帰の測定や分類が系統的にずれる偏り。
交絡
交絡は、曝露と転帰の双方に関係する第三因子が両者の関連を混ぜ、真の因果効果と異なる見かけの関連を生む現象。
スクリーニングと診断の違い
スクリーニングは無症状・未診断集団から高リスク者を選別する過程、診断は個人の疾患有無を確定・分類する過程で目的と許容誤差が異なる。
特異度
特異度は、実際に疾病がない人のうち検査陰性となる割合で、偽陽性を出さず正常者を正しく識別する能力を示す。
感度
感度は、実際に疾病がある人のうち検査陽性となる割合で、陰性結果による見逃しの少なさを表す診断精度指標。
有病割合と罹患率
有病割合はある時点・期間に存在する患者の割合、罹患は新規発生を捉える概念で、疾病負担と発症リスクを別々に表す。
抗微生物薬耐性の機序と選択圧
抗微生物薬耐性は薬剤標的変更、分解・修飾、排出、透過性低下、代替経路などで生じ、薬剤曝露が耐性集団を選択する。
水平遺伝子伝播
水平遺伝子伝播は、親から子への垂直伝播とは別に細菌間でDNAが移動する現象で、耐性遺伝子や病原性因子を急速に広げる。
病原性と毒力
病原性は微生物が疾病を起こす能力、毒力はその強さや重症化させる程度を表し、病原体因子と宿主因子の相互作用で決まる。
定着と感染
定着は微生物が宿主表面で増殖しても組織侵入や宿主障害を起こしていない状態、感染は侵入・増殖に宿主反応や障害を伴う状態。
第I相・第II相薬物代謝
第I相反応は酸化・還元・加水分解で官能基を導入・露出し、第II相反応は抱合で水溶性を高めるが、必ず順番に進むわけではない。
一次消失速度とゼロ次消失速度
一次消失は単位時間に一定割合、ゼロ次消失は一定量が消える動態で、代謝・輸送の飽和により用量と血中濃度の関係が大きく変わる。
定常状態
薬物動態の定常状態は、一定期間の投与量と消失量が釣り合い、平均血中濃度と投与間隔ごとの濃度波形が再現される状態。
消失半減期
消失半減期は、血中薬物濃度または体内薬物量が消失相で半分になる時間で、投与間隔、蓄積、定常状態到達時間を規定する。
薬物クリアランス
薬物クリアランスは、単位時間に薬物が完全に除去されたとみなせる血漿容積で、投与速度と定常濃度、消失半減期を結ぶ薬物動態の中心指標。
血漿蛋白結合と遊離型薬物
血漿蛋白結合と遊離型薬物は、受容体結合・膜通過・糸球体濾過・代謝を主に担う非結合分画と、血中の可逆的貯蔵分画を区別する概念。
薬物分布
薬物分布は、全身循環へ入った薬物が血液と各組織の間を移動する過程で、血流、毛細血管透過性、脂溶性、pH、蛋白・組織結合に左右される。
薬物吸収
薬物吸収は、投与部位から血液・リンパへ移行する過程で、膜透過性、解離状態、溶解、血流、表面積、製剤、消化管運動に左右される。
耐性とタキフィラキシー
耐性とタキフィラキシーは、反復投与で同じ用量への反応が低下する現象で、耐性は比較的緩徐、タキフィラキシーは短時間に急速に生じる。
用量–反応曲線
用量–反応曲線は、薬物用量・濃度と効果の大きさを結び、EC50、Emax、傾きから薬力価・最大効能・協同性を比較する図。
完全作動薬・部分作動薬・逆作動薬
完全作動薬・部分作動薬・逆作動薬は、受容体の基礎活性に対して最大活性化、部分活性化、基礎活性低下を起こす内活性の違いで分類される。
親和性と効力
親和性と効力は、薬物が受容体へ結合しやすい性質と、結合後に受容体を活性化して反応を生む能力を区別する薬力学の基本概念。
浸透率と表現度
浸透率と表現度は、病的遺伝子型を持つ人のうち表現型が現れる割合と、現れた表現型の程度・内容の幅を区別する概念。
ミトコンドリア遺伝
ミトコンドリア遺伝は、母由来mtDNAが全児へ伝わる母系遺伝を示し、ヘテロプラスミー・閾値効果・組織分配で表現型が大きく変動する。
常染色体劣性遺伝
常染色体劣性遺伝は、両アレルの病的変化で発症し、保因者の両親から同胞内に水平発症しやすく、男女差が少ない遺伝形式。
常染色体優性遺伝
常染色体優性遺伝は、常染色体上の一方の病的アレルで表現型が生じ、男女同頻度・世代をまたぐ縦方向伝播を示しやすい遺伝形式。
遺伝子変異の種類
遺伝子変異の種類は、塩基置換、挿入欠失、スプライス異常、反復配列伸長、コピー数・構造変化を、蛋白機能への影響と併せて整理する概念。
遺伝子発現調節とエピジェネティクス
遺伝子発現調節とエピジェネティクスは、DNA配列を変えずにクロマチン状態・転写・RNA安定性を制御し、同じゲノムから細胞固有の表現型を作る。
転写
転写は、DNAの遺伝情報をRNAポリメラーゼが相補的RNAへ写し取り、プロモーター・転写因子・クロマチンで発現量を制御する過程。
尿素回路
尿素回路は、肝臓で有毒なアンモニアの窒素を尿素へ固定し、ミトコンドリアと細胞質をまたいで安全に腎排泄へ送る窒素処理経路。
ケトン体生成と利用
ケトン体生成と利用は、絶食時に肝ミトコンドリアが余剰アセチルCoAを水溶性燃料へ変え、脳・筋などが再びアセチルCoAとして使う臓器間代謝。
脂肪酸β酸化
脂肪酸β酸化は、主にミトコンドリアで脂肪酸を2炭素単位のアセチルCoAへ切り出し、NADH・FADH2を産生する高効率エネルギー経路。
酸化的リン酸化と化学浸透
酸化的リン酸化と化学浸透は、電子伝達系が内膜を隔てたH+勾配を作り、ATP合成酵素がその電気化学エネルギーでATPを合成する機構。
グリコーゲン合成と分解
グリコーゲン合成と分解は、肝で血糖緩衝、筋で局所運動燃料としてグルコースを分岐高分子へ貯蔵・動員する相反的調節系。
糖新生
糖新生は、肝臓と一部腎臓で乳酸・グリセロール・糖原性アミノ酸からグルコースを合成し、絶食時の血糖を維持する経路。
解糖系
解糖系は、細胞質でグルコースをピルビン酸または乳酸へ分解し、酸素の有無にかかわらずATPとNADHを産生する基本代謝経路。
アロステリック調節と律速段階
アロステリック調節と律速段階は、代謝経路の流量を調節酵素へ集約し、基質・産物・エネルギー状態に応じて迅速に切り替える仕組み。
非競合阻害とアロステリック阻害
非競合阻害とアロステリック阻害は、活性部位以外への結合などで酵素機能を低下させ、基質増加では十分に克服できない阻害を理解する概念。
競合阻害
競合阻害は、阻害薬が基質と同じ酵素活性部位を可逆的に奪い合い、見かけのKmを上げるが十分な基質でVmaxを回復できる阻害様式。
がんのホールマーク
がんのホールマークは、腫瘍が増殖・生存・浸潤・免疫回避を獲得するための共通機能を整理し、多様な遺伝子異常を統合する枠組み。