定義
転写は、DNA鋳型鎖の塩基配列に従ってRNAを5'→3'方向へ合成する過程である。真核細胞ではRNAポリメラーゼIIが主にmRNA前駆体を合成し、転写開始・伸長・終結が調節される。
イメージ
保管された原本DNAから、必要な章だけ作業用コピーRNAを作る工程である。原本のどこをいつ読むかをプロモーター、エンハンサー、転写因子が決める。
仕組み
転写因子と一般転写装置がプロモーターへ集合し、RNAポリメラーゼIIがDNAを局所的に開いて鋳型鎖を3'→5'に読み、RNAを5'→3'へ伸長する。エンハンサー結合因子はDNAループとMediatorを介して開始複合体を調節する。クロマチンの開閉、ヒストン修飾、DNAメチル化もアクセス性を変える。転写中のRNAには5'キャップ付加、スプライシング、3'末端形成が共転写的に進む。RNAポリメラーゼIは主なrRNA、IIIはtRNAや5S rRNAなどを合成する。転写速度とmRNA分解速度の両方が定常mRNA量を決める。
例
ホルモン受容体がエンハンサーへ結合すると、標的遺伝子の転写開始頻度が変わり、数十分〜時間単位で蛋白発現が変化する。