定義
クリアランスは薬物の消失能力を「容積/時間」で表す指標であり、CL = 消失速度 ÷ 血漿中薬物濃度で定義される。全身クリアランスは腎、肝、肺など各臓器クリアランスの和として扱い、線形薬物動態では濃度に依存せず一定となる。
イメージ
血液中の薬物を取り除く浄水器を想像するとよい。1分間に何mg消えたかではなく、現在の濃度を基準に「何mL分の血漿が完全に浄化された計算になるか」を表すため、異なる濃度でも臓器の除去能力を比較できる。
仕組み
臓器クリアランスは概念的にCLorgan = Q × Eで表され、Qは臓器血流量、Eは流入した薬物のうち一回通過で除去される割合である。抽出比が高い薬物では血流量が律速となり、低い薬物では酵素活性、輸送、蛋白結合などの影響が大きい。全身クリアランスCLtotalは腎クリアランス、肝クリアランス、その他の消失経路を加えた値で、持続投与時の平均定常濃度はCss = 投与速度 ÷ CLtotalとなる。一次消失・一コンパートメント近似では、消失半減期はt1/2 = 0.693 × Vd ÷ CLで決まる。
例
一定速度で静注している薬物で腎機能低下により全身クリアランスが半分になると、投与速度を変えなければ平均定常濃度はおよそ2倍になる。目標濃度を保つには、維持投与速度をクリアランス低下に応じて調整する。