定義
消失半減期は、薬物の終末消失相において血漿濃度または体内量が50%へ低下するのに要する時間である。一次消失ではt1/2 = 0.693 ÷ kel = 0.693 × Vd ÷ CLで表され、分布容積が大きいほど長く、クリアランスが大きいほど短い。
イメージ
底に排水口がある水槽を考える。水槽が大きい、または排水口が小さいほど、水位が半分になるまで時間がかかる。薬物では水槽の見かけの大きさが分布容積、排出能力がクリアランスに相当する。
仕組み
一次消失では一定時間ごとに一定割合が消えるため、1半減期後に50%、2半減期後に25%、3半減期後に12.5%が残る。反復投与や持続投与では、蓄積と消失が釣り合う定常状態へ指数関数的に近づき、約4半減期で94%、約5半減期で97%程度に到達する。投与中止後の洗い出しも同じ時間尺度で進む。多コンパートメント薬物では、初期の分布相と終末消失相が異なり、観察する半減期によって臨床的意味が変わる。
例
半減期8時間の薬物を一定速度で投与すると、約32時間で定常濃度の94%程度、約40時間で97%程度へ達する。直ちに目標濃度が必要なら、維持投与量を増やすのではなく適切な負荷投与を検討する。