定義
定常状態は、反復投与または持続投与で単位時間あたりの薬物入力と消失が等しくなり、平均体内量がそれ以上系統的に増減しない状態である。持続投与の線形系では平均定常濃度Css = 投与速度 ÷ クリアランスで表される。
イメージ
浴槽へ一定速度で水を入れながら底から排水すると、初めは水位が上がるが、流入量と流出量が等しくなる高さで安定する。薬物濃度も同様に定常値へ近づくが、錠剤の反復投与ではピークとトラフを繰り返す。
仕組み
一次消失では定常状態への到達速度は半減期で決まり、投与量の大小には基本的に依存しない。反復投与では各投与による濃度が重なり、投与間隔が半減期に比べ短いほど蓄積しやすい。平均定常濃度は投与速度とクリアランスで決まり、ピーク・トラフ幅は投与間隔、吸収速度、分布、剤形に左右される。定常状態でも薬物は絶えず出入りしており、静止しているわけではない。
例
同じ1日量でも、1日1回投与はピークとトラフの差が大きく、分割投与や徐放製剤では変動が小さくなることがある。ただし平均定常濃度は、バイオアベイラビリティとクリアランスが同じなら概ね同等である。