定義
純粋非競合阻害は、阻害物質が遊離酵素と酵素–基質複合体へ同じ親和性で結合し、Vmaxを低下させるがKmを変えない理想型である。アロステリック阻害は調節部位への結合で酵素の構造・活性を変える広い概念である。
イメージ
受付の座席を奪うのではなく、機械の電源や形を変えて処理能力そのものを落とすイメージである。客を増やしても壊れた機械の数は戻らない。
仕組み
純粋非競合阻害ではEとESの両方に阻害薬が結合し、触媒可能な酵素分画が減るためVmaxが低下する。基質結合の平衡が変わらなければKmは不変である。実際にはEとESへの親和性が異なる混合阻害が多く、Vmax低下に加えてKmも上昇または低下する。アロステリック酵素では調節物質が活性部位から離れた部位へ結合し、T状態・R状態の均衡、サブユニット協同性、基質親和性、触媒速度を変える。速度曲線はしばしばシグモイド型で、Michaelis–Menten式へ単純適用できない。
例
代謝経路の最終産物が上流酵素のアロステリック部位へ結合すると、基質が多くても経路流量を抑え、過剰産生を防ぐ。