定義
抗微生物薬耐性は、通常有効な薬剤濃度でも微生物が生存・増殖できる性質である。自然耐性と獲得耐性があり、獲得耐性は突然変異または水平遺伝子伝播で生じる。選択圧は、薬剤などの環境条件が感受性菌より耐性菌の生存・増殖を相対的に有利にする作用である。
イメージ
薬剤は耐性菌を狙って作るのではなく、混合集団から感受性菌を減らし、もともと少数いた耐性菌へ場所と資源を残すふるいとして働く。
仕組み
主な耐性機序は、薬剤分解・化学修飾、標的蛋白の変化・保護・過剰産生、細胞膜透過性低下、排出ポンプ増加、代替代謝経路、バイオフィルム形成である。単一菌体内に複数機序が共存し、プラスミド上の複数遺伝子が共選択されることもある。不十分な局所濃度、長期曝露、広域薬使用は選択の機会を増やすが、耐性獲得には適応コストが伴い、薬剤非存在下で必ず優位とは限らない。
例
標的酵素の変異で親和性が低下した菌と、薬剤分解酵素を獲得した菌では、同じ「耐性」でも機序が異なる。前者は特定薬に限局し、後者は同系統薬へ広く交差耐性を示すことがある。