定義
薬物吸収は、血管外に投与された薬物が投与部位から全身循環へ到達する過程である。吸収速度と吸収量は投与経路、物理化学的性質、製剤、局所生理で決まる。
イメージ
薬が投与場所から交通網へ乗るまでの入口工程である。水に溶けて放出され、膜を通り、十分な血流に回収される必要がある。
仕組み
多くの低分子薬は非イオン型分画が脂質膜を受動拡散するが、輸送体、傍細胞経路、エンドサイトーシスも関与する。弱酸・弱塩基のイオン化率はpHとpKaで変わるが、消化管の吸収量は表面積、滞留時間、血流、溶解性の影響も大きく、小腸が主要吸収部位となることが多い。固形製剤では崩壊・溶出が先行し、食事や胃排出速度がTmaxを変える。皮下・筋肉内投与では局所血流、吸入では粒子径と肺表面積、経皮では角層透過性が重要である。P糖蛋白などの排出輸送体と腸壁代謝は全身到達量を減らす。
例
胃排出が遅れると小腸到達が遅れ、吸収量が同じでも効果発現とTmaxが遅れることがある。ショックでは皮下・筋肉血流低下により吸収が不安定になる。