定義
病原性はある微生物が宿主に感染症を成立させる性質または能力を指す。毒力は病原性の程度を表し、侵入性、増殖性、免疫回避、毒素産生、組織障害性などを含む。両者は微生物だけでなく宿主の免疫状態や侵入門戸にも依存する。
イメージ
病原性は「事故を起こせるか」、毒力は「事故がどれほど大きくなりやすいか」に近い。同じ病原体でも、侵入した場所や宿主の防御力によって結果は大きく異なる。
仕組み
病原性因子には接着因子、莢膜、侵入酵素、鉄獲得系、分泌装置、毒素、抗原変異、細胞内生存機構などがある。感染成立には感染量と侵入経路も重要で、少数で成立する病原体と大量曝露を要する病原体がある。毒力は致死量や重症化率だけでなく、組織親和性、炎症誘導、伝播戦略にも反映される。宿主側では年齢、免疫、基礎疾患、ワクチン歴、微生物叢が転帰を変える。
例
莢膜を持つ株は貪食を回避しやすく、莢膜を失った株より侵襲性が高くなることがある。ただし同じ株でも、健常者の粘膜表面と免疫低下者の血流内では病原性の現れ方が異なる。