定義
解糖系は、1分子のグルコースを10段階で2分子のピルビン酸へ変換し、正味2 ATPと2 NADHを得る細胞質経路である。嫌気条件やミトコンドリアを持たない細胞ではピルビン酸を乳酸へ還元してNAD+を再生する。
イメージ
グルコースを前半で加工するためにATPを先払いし、後半でより多くのATPを回収する工程である。酸素を直接使わないため、緊急時にも動く即応性の高い発電経路といえる。
仕組み
ヘキソキナーゼ/グルコキナーゼでグルコースを細胞内へ固定し、PFK-1がフルクトース6リン酸をフルクトース1,6-ビスリン酸へ変える主要調節段階となる。アルドラーゼで三炭糖へ分かれ、グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素でNADHを産生する。ホスホグリセリン酸キナーゼとピルビン酸キナーゼで基質レベルのリン酸化が起こる。高ATP・クエン酸はPFK-1を抑え、AMPとフルクトース2,6-ビスリン酸は促進する。好気条件ではピルビン酸がミトコンドリアへ入りアセチルCoAとなり、NADHの還元当量はシャトル系で電子伝達系へ渡る。
例
運動開始直後の骨格筋や低酸素組織では解糖速度が上がり、乳酸産生でNAD+を再生してATP供給を維持する。赤血球は解糖系だけでATPを得る。