概念図鑑
疾患・症状・薬・検査をつなぐ医学概念を、定義とイメージから確認できます。
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クロスプレゼンテーションとクロスプライミング
樹状細胞が取り込んだ外来・他細胞由来抗原をMHCクラスIへ提示し、ナイーブCD8陽性T細胞を活性化する例外的な抗原提示経路。
対立遺伝子排除と受容体編集
一つのリンパ球が原則として一種類の抗原特異性を持つよう受容体遺伝子再構成を停止し、自己反応性B細胞では軽鎖再構成によって特異性を修正する仕組み。
混合ミセルと脂質吸収
胆汁酸が脂肪分解産物を混合ミセルへ可溶化して小腸刷子縁へ運び、小腸上皮細胞内で再エステル化してカイロミクロンとしてリンパへ送る過程。
クロージングキャパシティと末梢気道閉鎖
呼気中に下側肺の小気道が閉じ始める肺容量を示し、クロージングキャパシティが機能的残気量を上回ると、通常呼吸中から換気不均等と低酸素血症を起こしやすくなる。
肺胞リクルートメントとヒステリシス
閉鎖した肺胞・末梢気道を一定の開放圧で再開通させ、開いた後はより低い圧でも維持されるため、吸気と呼気の圧–容量曲線が一致しない現象。
平滑筋のラッチ状態
ミオシン軽鎖が脱リン酸化された後も一部のクロスブリッジがアクチンへ結合し続け、少ないATP消費で持続張力を保つ平滑筋特有の状態。
動的過膨張と内因性PEEP
呼気が終わる前に次の吸気が始まると終末呼気肺気量が上昇し、内因性PEEPが生じて吸気閾値負荷、呼吸仕事量増加、静脈還流低下を起こす。
吻合・側副血行・終動脈・分水界
吻合は血管間の連絡、側副血行は主経路を補う迂回路、終動脈は代替血流に乏しい動脈、分水界は隣接する灌流域の境界で虚血に弱い領域を示す。
腫瘍の組織学的悪性度と病期
組織学的悪性度は腫瘍細胞の分化度や異型・増殖性を、病期は原発巣、リンパ節、遠隔転移を含む進展範囲を示し、予後評価と治療選択で役割が異なる。
輸送最大量とスプレイ現象
尿細管の担体輸送には最大速度Tmがあり、ネフロン間のばらつきや担体の飽和過程によって、閾値付近の排泄曲線はなだらかなスプレイを示す。
スターリングの法則と毛細血管交換
毛細血管内外の静水圧、膠質浸透圧、壁の透過性が水移動を決め、濾過された液をリンパ流が回収する微小循環の原理。
動脈コンプライアンスとウインドケッセル効果
大動脈などの弾性動脈が収縮期に血液と弾性エネルギーを蓄え、拡張期に放出して拍動性の血流を平滑化する仕組み。
Gタンパク質共役型受容体シグナル伝達
7回膜貫通型受容体が三量体Gタンパク質を介して酵素やイオンチャネルを調節し、細胞外の情報を増幅・分岐させるシグナル伝達。
二次能動輸送
一次能動輸送が作ったイオン勾配をエネルギー源とし、別の溶質を共輸送または交換輸送によって勾配に逆らって運ぶ仕組み。
一次能動輸送
ATP加水分解などから得たエネルギーを輸送体が直接使い、イオンや分子を電気化学勾配に逆らって運ぶ膜輸送。
甲状腺ホルモンの合成・活性化・フィードバック
ヨウ化物取り込み、サイログロブリン上の有機化・カップリング、T4/T3分泌、末梢脱ヨード化をTSH系が統合する仕組み。
レプチンとアディポネクチン
脂肪組織量と代謝状態を脳・肝・筋へ伝え、摂食、エネルギー消費、インスリン感受性、炎症を調節する代表的アディポカイン。
低血糖に対する血糖対抗調節
血糖低下時にインスリンを抑え、グルカゴン、カテコールアミン、成長ホルモン、コルチゾールを段階的に動員する防御系。
インクレチン効果
同量のグルコースでも静注より経口摂取の方が大きなインスリン分泌を起こす、消化管由来GLP-1・GIPによる増幅現象。
遺伝的浮動・創始者効果・ボトルネック効果
有限集団では偶然の繁殖でアレル頻度が変動し、小集団の成立や急激な集団縮小は特定バリアントを高頻度化し遺伝的多様性を減らす。
治療薬物モニタリング
治療薬物モニタリングは血中濃度と採血時刻、臨床効果、毒性、腎肝機能を統合し、治療域が狭く個体差の大きい薬の投与量を個別化する。
薬力学的相互作用:相加・相乗・拮抗
薬力学的相互作用は血中濃度を変えずに作用部位や生理系で効果が組み合わさる現象で、相加、相乗、増強、拮抗として整理する。
肝抽出比と肝クリアランス
肝抽出比は肝流入薬物のうち1回通過で除去される割合で、肝クリアランスは肝血流、遊離分率、固有クリアランスの相互関係で決まる。
ショックの病態生理
ショックは組織酸素供給が代謝需要を満たさない循環不全で、低血容量、心原性、閉塞性、血液分布異常の機序から細胞障害・臓器不全へ進む。
梗塞と赤色・白色梗塞
梗塞は動脈流入または静脈流出の急な遮断で生じる虚血性壊死で、組織の血行構造と再灌流により白色または赤色となる。
塞栓
塞栓は血流で運ばれた固体・液体・気体が遠隔血管を閉塞する現象で、血栓塞栓が最多だが脂肪、空気、羊水、腫瘍なども原因となる。
急性期反応と発熱
感染・組織障害でIL-1、IL-6、TNFが肝急性期蛋白合成、白血球変化、代謝再編を誘導し、PGE₂を介して視床下部体温設定値を上げる。
発生誘導とモルフォゲン勾配
発生誘導では一つの細胞集団が隣接組織の運命を変え、モルフォゲンは濃度・曝露時間の勾配に応じて異なる転写プログラムと位置情報を与える。
減数分裂と相同組換え
減数分裂はDNA複製後に相同染色体分離と姉妹染色分体分離の2回分裂を行い、交叉と独立分配で遺伝的多様性を持つ半数体配偶子を作る。
末梢性感作と中枢性感作
組織障害後は炎症メディエーターが侵害受容器閾値を下げる末梢性感作と、脊髄・脳回路の反応性が増す中枢性感作が痛覚過敏・アロディニアを生む。
小脳の誤差学習
小脳は意図した運動と感覚フィードバックのずれを登上線維誤差信号として受け、平行線維–Purkinje細胞シナプス可塑性で運動予測と補正を学習する。
頻度加重と強縮
筋活動電位が弛緩前に反復すると細胞質Ca²⁺が残存して単収縮が時間的に加重し、高頻度では不完全強縮から完全強縮へ移行する。
等尺性・等張性・求心性・遠心性収縮
筋収縮は筋長と張力の変化で等尺性・等張性に、運動方向で求心性・遠心性に分類され、実際の動作では複数様式が連続して現れる。
肺胞換気式
肺胞換気式は定常状態でPaCO₂がCO₂産生量に比例し肺胞換気量に反比例する関係を示し、低換気・過換気によるPaCO₂変化を定量化する。
呼吸仕事量
呼吸仕事量は換気のために肺・胸壁の弾性抵抗、気道抵抗、組織抵抗へ打ち勝つ機械仕事で、圧–容積関係と流量に依存する。
経肺圧と胸壁力学
経肺圧は肺胞内圧と胸腔内圧の差で肺を拡張し、肺の内向き弾性収縮と胸壁の外向き・内向き力の釣合いがFRCと呼吸系コンプライアンスを決める。
排尿反射
膀胱伸展情報は仙髄へ伝わり、副交感神経で排尿筋を収縮させ、橋排尿中枢と大脳皮質が内・外尿道括約筋を協調して蓄尿と排尿を切り替える。
圧利尿・圧ナトリウム利尿
腎灌流圧が上がるとNa⁺と水の排泄が増え、体液量と血圧を下げる圧利尿・圧ナトリウム利尿は長期血圧調節の中心的フィードバックとなる。
経壁圧
経壁圧は管腔内圧から周囲圧を引いた壁を拡張する実効圧で、血管、心腔、肺胞、気道の容積・虚脱・壁応力を規定する。
心室相互依存
左右心室は心室中隔、共有心筋線維、心膜内の限られた空間を介して力学的に結合し、一方の容量・圧変化が他方の充満と拍出へ影響する。
心仕事量と圧–容積面積
心室の外的仕事は圧–容積ループ内面積で表され、収縮に使われた総機械エネルギーは外的仕事と収縮末期弾性エネルギーを合わせた圧–容積面積に対応する。
ビリルビン代謝
ヘム由来非抱合ビリルビンはアルブミン結合で肝へ運ばれ、UGTで抱合後に胆汁排泄され、腸内細菌でウロビリノーゲンへ変換される。
コレステロール合成と調節
コレステロールはアセチルCoAからメバロン酸経路で合成され、HMG-CoA還元酵素、SREBP、LDL受容体により細胞内需要と外部供給に応じて調節される。
マロニルCoAと脂肪酸酸化の切替
マロニルCoAは脂肪酸合成の基質であると同時にCPT-Iを阻害し、摂食時の脂肪酸合成と絶食・運動時のβ酸化を相互排他的に切り替える。
カルニチンシャトル
長鎖脂肪酸由来アシルCoAは内ミトコンドリア膜を通れないため、CPT-I、トランスロカーゼ、CPT-IIを介してカルニチンエステルとして基質へ運ばれる。
基質レベルのリン酸化
基質レベルのリン酸化は、高エネルギーリン酸化中間体からADPまたはGDPへリン酸基を直接移し、電子伝達系を介さずATPまたはGTPを作る。
幹細胞の分化能と自己複製
幹細胞は自己複製しながら分化細胞を供給し、全能性・多能性・多分化能・単分化能という分化可能範囲とニッチ環境で性質が規定される。
細胞遊走と走化性
細胞遊走は前後極性、先端突出、基質接着、細胞体収縮、後端離脱を反復する運動で、走化性では化学物質の濃度勾配が方向を与える。
体腔・漿膜・間膜
体腔は臓器を収める空間、漿膜は壁側・臓側葉と少量の液で摩擦を減らし、間膜は臓器を支持し血管・神経・リンパ路を運ぶ。
リードタイムバイアス・レングスタイムバイアス・過剰診断
スクリーニングの代表的偏りは、診断時点前倒し、進行の遅い病変の選択、害を生まない病変の検出により効果を過大評価する。
腸肝循環
腸肝循環は、胆汁中へ排泄された物質が腸管で再吸収され門脈から肝へ戻る循環で、作用持続・二峰性濃度曲線に影響する。
アロステリック調節と予備受容体
アロステリック調節は別部位結合で受容体応答を変え、予備受容体は全受容体占有前に最大反応を生むシグナル増幅を表す。
非競合的・不可逆的拮抗
非競合的・不可逆的拮抗は、作動薬濃度を増やしても十分に回復しない受容体反応低下で、最大反応を低下させるのが基本。
モザイク
遺伝学的モザイクは一個体内に同一受精卵由来で遺伝情報の異なる細胞集団が共存する状態で、発生時期と組織分布が表現型を決める。
ゲノム刷り込みとX染色体不活化
ゲノム刷り込みは親由来に応じた片アレル発現、X染色体不活化は女性細胞でX遺伝子量を補正するエピジェネティック制御。
クローン進化と腫瘍微小環境
腫瘍のクローン進化は遺伝・非遺伝的多様性へ選択が働く過程で、微小環境が増殖、浸潤、免疫逃避、治療抵抗性を方向づける。
乾酪壊死
乾酪壊死は、凝固壊死と融解壊死の特徴が混在し、肉眼的にチーズ状、組織学的に無構造顆粒状となる壊死パターン。
ホルモン作用の相乗・拮抗・許容
ホルモン作用の相乗・拮抗・許容は、複数ホルモンが同一標的の反応を増強、相殺、または別ホルモンが働ける状態へ整える関係。
腎髄質浸透圧勾配と尿素再循環
腎髄質浸透圧勾配は対向流増幅と尿素再循環で形成・維持され、ADH作用下で集合管から水を再吸収して濃縮尿を作る。
拡散障害
拡散障害は、肺胞気から毛細血管血へのガス移動が通過時間内に平衡へ達しにくい状態で、膜厚増加・面積減少などで起こる。