定義
ショックは、循環系が組織へ十分な酸素・基質を供給できず、または細胞が利用できず、恒常性維持が破綻する病態である。低血容量性、心原性、閉塞性、血液分布異常性に分類し、心拍出量、血管抵抗、静脈還流、微小循環のどこが破綻したかで理解する。
イメージ
全身への配送網で、荷物不足、ポンプ故障、流路閉塞、配管の異常拡張・分配不良のいずれかが起こり、細胞へ必要物資が届かなくなる状態と考える。
仕組み
酸素供給DO₂ = CO × CaO₂が低下すると、交感神経、RAA系、ADHが心拍数・収縮性・血管収縮・体液保持を増やし、重要臓器へ血流を再配分する。代償限界を超えると嫌気代謝、乳酸増加、ATP枯渇、Na⁺/K⁺ポンプ障害、細胞腫脹、内皮障害が進む。炎症と凝固活性化は毛細血管透過性、微小血栓、ミトコンドリア機能を悪化させる。低血容量・心原性・閉塞性では通常充満圧やCOの組合せが異なり、分布異常性では血管拡張と微小循環不均一が主となる。不可逆期には原因是正後も多臓器不全が進む。
例
大量出血では前負荷・一回拍出量が低下し、冷汗・末梢冷感を伴う。敗血症初期では末梢血管拡張により皮膚が温かくても、微小循環と酸素利用は障害され得る。