概念図鑑
疾患・症状・薬・検査をつなぐ医学概念を、定義とイメージから確認できます。
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基底膜と細胞外基質
基底膜と細胞外基質は、組織の足場・濾過・接着・力学特性を担い、細胞の分化・移動・修復へ情報を与える細胞外ネットワーク。
上皮細胞の極性
上皮細胞の極性は、頂端・側方・基底側膜へ異なるタンパク質と機能を配置し、方向性のある吸収・分泌と組織境界を作る性質。
p値・信頼区間・第I種/第II種過誤・検出力
p値は帰無仮説下のデータの極端さ、信頼区間は効果量の不確実性、第I・II種過誤と検出力は判定誤りの設計上の確率を示す。
無作為化・盲検化・ITT解析
無作為化は比較群の交絡を平均化し、盲検化は行動・評価の偏りを抑え、ITT解析は割付群を保って治療方針の効果を評価する。
絶対リスク減少・NNT・NNH
絶対リスク減少は介入による発症率の差、NNTは1件の望ましい転帰を追加で得るために必要な人数、NNHは害を1件増やす人数。
相対リスクとオッズ比
相対リスクは曝露群と非曝露群の発症リスク比、オッズ比は発症オッズの比で、研究デザインと疾病頻度に応じて解釈する。
Bayesの定理と検査前・検査後確率
Bayesの定理は、病歴・診察から得た検査前確率へ検査結果の証拠を加え、疾病の検査後確率を定量的に更新する枠組み。
尤度比
尤度比は、ある検査結果が疾病あり群で疾病なし群より何倍起こりやすいかを表し、検査前オッズを検査後オッズへ更新する。
陽性的中率と陰性的中率
陽性的中率は陽性者が実際に疾病を持つ確率、陰性的中率は陰性者が疾病を持たない確率で、検査性能と有病割合に依存する。
基本再生産数
基本再生産数R0は、全員が感受性を持つ集団へ1人の感染者を導入した時に生じる二次感染者数の平均で、流行可能性を示す。
抗原ドリフトと抗原シフト
抗原ドリフトは点変異蓄積による段階的抗原変化、抗原シフトは分節ゲノム再集合などによる大幅な抗原変化で、流行規模が異なる。
外毒素と内毒素
外毒素は主に細菌が産生・放出する特異的作用を持つ蛋白毒素、内毒素はグラム陰性菌外膜LPSのlipid Aが担う炎症誘発成分。
CYP誘導とCYP阻害
CYP誘導は酵素発現を増やして基質薬の代謝を促進し、CYP阻害は酵素活性を低下させるため、併用薬の濃度・効果・毒性を変化させる。
分布容積
分布容積Vdは、体内薬物量を血漿濃度で割った見かけの容積で、薬物が血管内に留まるか組織へ広く移行するかを定量化する。
バイオアベイラビリティと初回通過効果
バイオアベイラビリティと初回通過効果は、投与量のうち未変化体で全身循環へ到達する割合Fと、腸管・肝で到達前に失われる機序を示す。
治療係数と治療域
治療係数と治療域は、有効量と毒性量の隔たり、および有効性を保ちながら許容毒性に収まる濃度範囲を示す薬物安全性の概念。
受容体占有率
受容体占有率は、薬物濃度と解離定数Kdから結合受容体の割合を表し、単純系では「占有率 = [D] / (Kd + [D])」で記述される。
薬物動態と薬力学
薬物動態と薬力学は、薬物濃度が時間とともにどう変わるかというPKと、その濃度が標的作用・効果・毒性へどう結び付くかというPDを統合する。
Hardy–Weinberg平衡
Hardy–Weinberg平衡は、無作為交配などの仮定下で対立遺伝子頻度p・qから遺伝子型頻度p²・2pq・q²を求める集団遺伝学の基準モデル。
X連鎖遺伝
X連鎖遺伝は、X染色体上の病的アレルにより性別で発症・伝達パターンが異なり、父から息子への直接伝達がないことが基本。
細胞周期とチェックポイント
細胞周期とチェックポイントは、G1・S・G2・M期をサイクリン–CDKで進め、DNA損傷・複製完了・染色体付着を確認して異常分裂を防ぐ制御系。
翻訳
翻訳は、リボソームがmRNAコドンを読み、アミノアシルtRNAを順に結合してN末端からC末端へタンパク質を合成する過程。
RNAプロセシングとスプライシング
RNAプロセシングとスプライシングは、前駆体mRNAへ5'キャップ、イントロン除去、3'ポリA付加を行い、選択的スプライシングで蛋白多様性を生む。
DNA複製
DNA複製は、各親鎖を鋳型に相補鎖を合成する半保存的・双方向性の過程で、細胞周期S期にゲノムを高精度で複製する。
リポ蛋白代謝
リポ蛋白代謝は、水に溶けにくい中性脂肪・コレステロールをカイロミクロン、VLDL、LDL、HDLで臓器間輸送する仕組み。
ペントースリン酸経路
ペントースリン酸経路は、グルコース6リン酸からNADPHとリボース5リン酸を産生し、抗酸化防御・脂質合成・核酸合成を支える細胞質経路。
TCA回路
TCA回路は、ミトコンドリアでアセチルCoAをCO2へ酸化し、NADH・FADH2・GTPを産生して糖質・脂質・アミノ酸代謝を統合する回路。
KmとVmax
KmとVmaxは、Kmが半最大速度に必要な基質濃度、Vmaxが酵素飽和時の最大反応速度を示し、親和性・酵素量・阻害様式の解析に用いる。
Michaelis–Menten式
Michaelis–Menten式は、単一基質酵素反応の初速度と基質濃度の関係を「v = Vmax[S] / (Km + [S])」で表す基本式。
腫瘍抑制遺伝子の喪失
腫瘍抑制遺伝子の喪失は、細胞周期停止、DNA修復、アポトーシス、接触抑制などのブレーキ機能が失われ、異常細胞の増殖を許す変化。
がん遺伝子の活性化
がん遺伝子の活性化は、正常な増殖促進遺伝子プロトオンコジーンが点変異・増幅・転座などで恒常活性化し、細胞増殖と生存を自律化する変化。
肥大
肥大は、細胞数ではなく個々の細胞容積が増えて臓器・組織が大きくなる適応で、分裂しにくい心筋・骨格筋で特に重要。
凝固壊死
凝固壊死は、蛋白変性が酵素分解を上回り、死細胞の輪郭と組織構築が数日間保たれる壊死パターンで、虚血性梗塞に典型的。
壊死
壊死は、重篤な外因性障害で細胞膜の完全性が破綻し、細胞内容が漏出してDAMP依存性炎症を伴う病的細胞死の形態。
細胞内Ca²⁺過負荷
細胞内Ca2+過負荷は、膜・小胞体・ミトコンドリアのCa2+恒常性が破綻し、分解酵素活性化とミトコンドリア障害で細胞死を増幅する機序。
酸化ストレス
酸化ストレスは、活性酸素種の産生が抗酸化防御と修復能力を上回り、脂質・タンパク質・DNAを酸化して細胞機能を障害する状態。
ATP枯渇とミトコンドリア障害
ATP枯渇とミトコンドリア障害は、イオンポンプ・蛋白合成・膜維持を破綻させ、可逆性細胞障害から壊死・アポトーシスへ進める中心機序。
IV型過敏反応
IV型過敏反応は、抗体ではなく感作T細胞がサイトカインによる炎症または標的細胞殺傷を起こす遅延型の細胞性免疫反応。
III型過敏反応
III型過敏反応は、可溶性抗原–抗体免疫複合体が血管壁・糸球体・関節などへ沈着し、補体と好中球を介して炎症を起こす反応。
II型過敏反応
II型過敏反応は、細胞表面・細胞外基質・受容体に対するIgGまたはIgMが、細胞傷害、炎症、受容体機能異常を起こす抗体依存性反応。
I型過敏反応
I型過敏反応は、抗原特異的IgEで感作された肥満細胞が再曝露時に脱顆粒し、即時相と遅発相のアレルギー炎症を起こす反応。
抗体の構造とアイソタイプ
抗体の構造とアイソタイプは、可変部Fabが抗原を認識し、定常部Fcと重鎖クラスが補体活性化・粘膜防御・胎盤移行などの機能を決める。
Th1・Th2・Th17・Treg分化
Th1・Th2・Th17・Treg分化は、ナイーブCD4 T細胞がサイトカイン環境に応じて異なる転写因子とエフェクター機能を獲得する免疫応答の方向付け。
クローン選択
クローン選択は、膨大な受容体多様性を持つリンパ球のうち、抗原に適合するクローンだけが選ばれ増殖・分化する獲得免疫の中心原理。
B細胞活性化
B細胞活性化は、BCRによる抗原認識とT細胞ヘルプまたは反復性抗原刺激を受け、抗体産生細胞と記憶B細胞へ分化する過程。
T細胞活性化と共刺激
T細胞活性化と共刺激は、TCRによる抗原認識、CD28などの共刺激、サイトカインによる分化指令の三信号でナイーブT細胞を増殖・分化させる。
MHCクラスIとクラスII
MHCクラスIとクラスIIは、提示する抗原の由来、発現細胞、認識するT細胞が異なり、細胞内感染監視と外来抗原応答を分担する。
抗原処理と抗原提示
抗原処理と抗原提示は、蛋白抗原をペプチドへ分解し、MHC分子へ載せてT細胞へ示すことで自然免疫の情報を獲得免疫へ渡す過程。
補体のエフェクター機能
補体のエフェクター機能は、C3bによるオプソニン化、C3a・C5aによる炎症増幅、C5b–9膜侵襲複合体による膜傷害に集約される。
PAMP・DAMP・パターン認識受容体
PAMP・DAMP・パターン認識受容体は、微生物由来構造と組織障害シグナルを自然免疫が検出し、炎症・抗微生物応答を開始する認識枠組み。
Virchowの三徴
Virchowの三徴は、血流異常、血管内皮障害、過凝固状態の三要素で静脈・動脈血栓形成のリスクを統合する病態生理モデル。
血小板の粘着・活性化・凝集
血小板の粘着・活性化・凝集は、vWF–GPIbによる捕捉からGPIIb/IIIa–フィブリノゲン架橋へ進む一次止血の連続反応。
ヘモグロビン量と酸素運搬能
ヘモグロビン量と酸素運搬能は、PaO2が正常でもHb濃度が低ければ動脈血酸素含量と全身酸素供給量が低下することを示す概念。
エリスロポエチンによる赤血球産生調節
エリスロポエチンによる赤血球産生調節は、腎が組織低酸素を感知し、骨髄の赤芽球系前駆細胞を増やして酸素運搬能を回復する負帰還系。
摂食時と絶食時の代謝
摂食時と絶食時の代謝は、肝・筋・脂肪組織・脳などが燃料の貯蔵、放出、利用を時間経過に応じて分担する臓器間代謝の統合概念。
ホルモン受容体の分類
ホルモン受容体は、細胞膜受容体と細胞内受容体に大別され、ホルモンの溶解性、応答速度、細胞内シグナル伝達様式を規定する。
酸塩基代償と混合性障害
一次性酸塩基変化に対する予測可能な呼吸・腎補償を比較し、ずれがあれば二つ以上の一次性障害を疑う。
アニオンギャップとデルタ比
アニオンギャップは未測定陰イオン増加を推定し、デルタ比はHCO₃⁻低下との釣り合いから混合性代謝障害を探る。
HCO₃⁻再吸収と正味酸排泄
腎は濾過HCO₃⁻を回収し、NH₄⁺・滴定酸としてH⁺を排泄して新しいHCO₃⁻を血液へ加える。
Henderson–Hasselbalchの式
弱酸系のpHを共役塩基と酸の比で表し、血液ではHCO₃⁻と溶存CO₂の比から酸塩基状態を理解する式。