定義
治療係数TIは古典的にはTD50/ED50またはLD50/ED50で表し、値が大きいほど集団上の安全幅が広い。治療域は、個々の患者で有効性が期待され毒性が許容される血中濃度範囲である。
イメージ
効き始める線と危険になる線の間の幅を考える。幅が狭い薬では、少しの用量差や体内動態変化が無効または毒性へ直結しやすい。
仕組み
量的用量–反応曲線から集団のED50とTD50を比較するのが治療係数であるが、曲線の傾きや一部感受性患者の毒性を十分表さない。治療域は臨床濃度と効果・毒性の関係を基に設定され、腎肝機能、蛋白結合、相互作用、採血時刻、活性代謝物で変化する。狭い治療域ではTDM、症状、臓器機能を組み合わせて個別化する。薬効と毒性が同じ機序・同じ組織で生じる場合、安全幅は狭くなりやすい。集団指標は個人の絶対的境界ではない。
例
治療域が狭い薬では腎機能低下や併用薬によるクリアランス低下で濃度が上がり、通常量でも毒性が生じ得るため、濃度測定と用量調整が重要になる。