定義
がん遺伝子は、正常細胞の増殖・生存・分化を促すプロトオンコジーンが活性化型変異を獲得した遺伝子である。細胞レベルでは一方の対立遺伝子の活性化でも効果を示すことが多い。
イメージ
アクセルが踏み込まれたまま戻らない状態に相当する。アクセル自体、信号伝達、転写装置、細胞周期装置のどこが固定されても、増殖指令が持続し得る。
仕組み
活性化機序には、RASなどの点変異によるGTPase活性低下、受容体・転写因子遺伝子の増幅、染色体転座による融合蛋白形成や強力なエンハンサー近傍への移動がある。標的は増殖因子、受容体型キナーゼ、細胞内シグナル蛋白、転写因子、サイクリンなど多段階に存在する。活性化は増殖因子非依存性、アポトーシス抵抗性、代謝再編成を促すが、単独では腫瘍化に不十分なことが多く、腫瘍抑制遺伝子喪失やゲノム不安定性と協働する。強すぎるオンコジーン信号は細胞老化を誘導することもある。
例
RASの活性化変異では増殖因子刺激がなくても下流MAPK・PI3K経路が作動する。遺伝子増幅で受容体量が増えると、同じリガンド濃度でも増殖信号が増強される。