定義
外毒素は細菌が産生し細胞外へ分泌または菌体崩壊時に放出するタンパク質性毒素で、標的分子や細胞に特異的な作用を示すことが多い。内毒素はグラム陰性菌外膜のリポ多糖LPSに含まれるlipid Aで、自然免疫を強く活性化する。
イメージ
外毒素は標的を狙う専用工具、内毒素は菌体外膜そのものに組み込まれた火災報知器のように考える。前者は神経や蛋白合成など特定機能を止め、後者は全身の炎症反応を増幅しやすい。
仕組み
外毒素には酵素活性を持つA-B毒素、膜障害毒素、スーパー抗原などがあり、少量でも強い作用を示し得る。タンパク質であるため中和抗体が作用し、毒性を失わせ抗原性を残したトキソイドを作れるものがある。内毒素はLPS結合蛋白、CD14、TLR4–MD-2系を介してマクロファージや内皮を活性化し、TNF、IL-1、凝固、補体、NO産生を誘導する。過剰反応では血管拡張、透過性亢進、播種性凝固を伴う全身障害へ進む。
例
外毒素が特定の神経伝達過程を阻害すると、局所の菌量が少なくても全身性神経症状が生じ得る。内毒素が血中へ大量に入ると、病原体の局在を越えて全身炎症と循環障害が起こり得る。