定義
アニオンギャップAGは通常「AG = Na⁺ − (Cl⁻ + HCO₃⁻)」で計算し、電気的中性から未測定陰イオンと未測定陽イオンの差を推定する。デルタ比は「(AG − 正常AG)/(正常HCO₃⁻ − 実測HCO₃⁻)」である。
イメージ
測っていない電荷を、帳簿の左右差から推定する方法と考える。酸が増えるとその陰イオンが帳簿外へ加わり、HCO₃⁻の減少との比から別の障害が重なっていないかを見る。
仕組み
乳酸、ケト酸、尿毒素などの不揮発性酸が加わるとH⁺はHCO₃⁻で緩衝され、残った陰イオンがAGを増やす。塩酸負荷やHCO₃⁻喪失ではCl⁻が増えるためAGは上がりにくい。アルブミンは主要な未測定陰イオンなので、低アルブミン血症では「補正AG ≈ 実測AG + 2.5 × (4.0 − Alb[g/dL])」などで補正する。デルタ比がHCO₃⁻低下とAG上昇の不均衡を示せば、正常AG性アシドーシスや代謝性アルカローシスの併存を疑う。
例
AG 24、正常AG 12、HCO₃⁻ 18、正常24ならデルタ比は12/6=2で、AG上昇に比べHCO₃⁻低下が小さく、代謝性アルカローシス併存を示唆する。