定義
MHCクラスIはほぼすべての有核細胞に発現し、主に細胞内由来ペプチドをCD8 T細胞へ提示する。MHCクラスIIは主に樹状細胞、マクロファージ、B細胞などの抗原提示細胞に発現し、主に取り込んだ外因性抗原をCD4 T細胞へ提示する。
イメージ
MHC Iは各細胞が自分の内部状態を示す身分証、MHC IIは専門の提示細胞が外から集めた情報を示す報告書と考えるとよい。
仕組み
MHC Iは多型性α鎖とβ2ミクログロブリンからなり、閉じた溝へ通常8〜10残基程度のペプチドを結合する。MHC IIはα鎖とβ鎖からなり、両端が開いた溝へより長いペプチドを結合できる。CD8はMHC I、CD4はMHC IIの非多型領域へ結合し、TCRの抗原認識を補助する。HLA遺伝子は高度に多型で共優性発現し、個体は父母由来分子を同時に発現する。この多様性は集団の感染防御を広げる一方、移植適合性や疾患感受性に関係する。
例
ウイルス感染細胞はMHC Iでウイルスペプチドを提示しCD8 T細胞に認識される。樹状細胞はMHC IIで外来抗原を提示し、CD4 T細胞を介して抗体産生やマクロファージ活性化を促す。