定義
血液の酸素運搬能は主にヘモグロビン結合酸素で決まり、動脈血酸素含量CaO2は概算で「CaO2 = 1.34 × Hb × SaO2 + 0.003 × PaO2」と表される。溶存酸素の寄与は通常小さい。
イメージ
PaO2は酸素の圧力、Hbは酸素を運ぶ座席数、SaO2は座席が埋まっている割合に相当する。圧力が十分でも座席自体が少なければ、運べる酸素の総量は少ない。
仕組み
肺胞から血漿へ溶けた酸素は赤血球へ拡散し、Hbのヘム鉄へ可逆的に結合する。血中酸素の大部分はHb結合型であり、1 gのHbは約1.34 mLのO2を運ぶ。全身酸素供給量DO2は「心拍出量 × CaO2」で決まるため、貧血、低酸素血症、低心拍出量はいずれも組織酸素供給を低下させる。PaO2は溶存酸素とHb飽和度に影響するが、Hb濃度を反映しない。異常Hbや一酸化炭素結合では、PaO2が保たれても有効な酸素運搬が障害され得る。
例
Hb 7 g/dLの高度貧血ではPaO2とSaO2が正常でもCaO2は低下する。逆に多血では同じSaO2でも酸素含量が増えるが、血液粘稠度上昇が血流を妨げることがある。