定義
上皮細胞の極性は、細胞膜と細胞内構造を頂端側、側方、基底側の領域へ非対称に分け、それぞれに異なる輸送体、受容体、細胞骨格、接着装置を配置する性質である。管腔側と体内側を区別することで方向性輸送を可能にする。
イメージ
駅の改札で入口と出口が分かれ、入場側とホーム側に異なる設備が置かれている状態に似る。輸送体が正しい側に置かれることで、物質を一方向へ運べる。
仕組み
タイトジャンクションは傍細胞経路を制御するゲートであると同時に、頂端膜と基底側膜のタンパク質が混ざるのを防ぐフェンスとして働く。極性複合体、微小管、アクチン、Rab蛋白などが小胞輸送を仕分ける。腸上皮では頂端側の共輸送体で栄養素を取り込み、基底側輸送体から血液側へ放出する。腎尿細管でも側別配置が再吸収・分泌の向きを決める。傷害や腫瘍で極性が失われると、バリア破綻、異常分泌、浸潤性獲得につながる。
例
近位尿細管でNa⁺依存性輸送体が管腔側、Na⁺/K⁺-ATPaseが基底側に配置されることで、尿細管腔から間質へ正味の再吸収が成立する。配置が逆なら同じタンパク質でも輸送方向は変わる。