定義
基本再生産数R0は、免疫や介入がない完全感受性集団において、典型的な1感染者が感染期間中に直接生み出す二次感染者数の期待値である。R0が1を超えると初期流行は拡大し得て、1未満なら平均的には収束する。
イメージ
一人が平均して何人へ火を渡すかを表す数と考える。平均2人へ渡せば火は広がりやすいが、接触制限や免疫で実際に火を受け取れる人が減れば広がり方も変わる。
仕組み
単純モデルではR0は接触頻度、1接触あたり伝播確率、感染性を持つ期間の積として理解できる。集団に免疫保持者が増え、行動・季節・対策が変化した時点の再生産数は実効再生産数Rtで表す。均一混合集団の近似では集団免疫閾値は1 − 1/R0だが、接触構造、免疫の不完全性、時間変化、集団異質性により実際の閾値は変わる。感染世代間隔と接触の異質性は、同じR0でも流行速度と規模を変え得る。
例
R0が3の病原体でも、人口の全員が同じように接触するとは限らない。免疫、隔離、換気、行動変容で感受性者への有効接触が減ればRtは1未満となり、流行は縮小方向へ向かう。