概念図鑑
疾患・症状・薬・検査をつなぐ医学概念を、定義とイメージから確認できます。
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糸球体尿細管バランス
近位尿細管はGFRが変化しても濾過されたNa⁺と水のほぼ一定割合を再吸収し、遠位ネフロンへの負荷変動を緩衝する。
ナトリウム利尿ペプチド系
ANPとBNPは心房・心室壁伸展で分泌され、膜型グアニル酸シクラーゼ–cGMP系を介して血管拡張、Na⁺排泄、RAA系・交感神経抑制を促す。
有効動脈血液量
有効動脈血液量は高圧側循環が組織灌流に利用できる充満度を表す機能概念で、総体液量が多くても心拍出量低下や血管拡張で低下し得る。
リンパ生成とリンパ還流
毛細血管から濾過された組織液のうち静脈側へ戻らない分はリンパ毛細管へ入り、弁、筋ポンプ、呼吸運動、平滑筋収縮で静脈角へ還流する。
血液粘度とヘマトクリット
血液は赤血球濃度と変形・凝集性により非Newton流体として振る舞い、ヘマトクリット上昇は粘度と血流抵抗を非線形に増やす一方、微小血管では見かけの粘度が低下する。
心室–動脈カップリング
心室–動脈カップリングは心室収縮性Eesと動脈負荷Eaの比で心臓と血管の適合度を表し、拍出効率、機械効率、循環予備能を統合的に評価する。
収縮末期圧–容積関係
収縮末期圧–容積関係ESPVRは異なる負荷条件での収縮末期点を結ぶ関係で、その傾きEesは比較的負荷依存性の少ない心室収縮性指標となる。
酸素摂取量と酸素抽出率
全身酸素摂取量VO₂は酸素供給量DO₂と酸素抽出率O₂ERで決まり、供給低下時には抽出増加で維持されるが、臨界点を超えると組織低酸素に陥る。
Fickの原理と心拍出量
Fickの原理は、臓器が取り込む物質量が血流量と動静脈濃度差の積に等しいことを利用し、全身酸素消費量から心拍出量を算出する。
Rapoport–Luebering回路と2,3-BPG
赤血球は解糖中間体1,3-BPGを2,3-BPGへ迂回させ、ATP産生を一部犠牲にしてヘモグロビンの酸素親和性を下げ、組織への酸素放出を調節する。
ヘム生合成
ヘムはミトコンドリアと細胞質を往復する8段階反応でグリシンとスクシニルCoAから合成され、ALA合成酵素と鉄挿入が調節点となる。
ピリミジン合成とチミジル酸回路
ピリミジンは環を先に合成してPRPPへ結合しUMPを作り、dUMPからdTMPへの変換では葉酸依存性チミジル酸合成酵素とDHFRがDNA合成を支える。
一炭素代謝・葉酸回路・メチオニン回路
葉酸回路は一炭素単位を酸化状態別に運び、核酸合成とメチオニン再生へ供給し、メチオニン回路はS-アデノシルメチオニンを介して全身のメチル化反応を支える。
アミノ基転移と窒素運搬
アミノ酸の窒素はアミノ基転移で主にグルタミン酸へ集められ、グルタミンやアラニンとして安全に運ばれた後、肝・腎でアンモニア処理へつながる。
脂肪酸合成
脂肪酸合成は細胞質でアセチルCoAをマロニルCoAへ変換し、脂肪酸合成酵素がNADPHを使って2炭素ずつ伸長して主にパルミチン酸を作る。
細胞質NADHシャトル
細胞質NADHの電子は内膜を直接通れないため、リンゴ酸–アスパラギン酸シャトルまたはグリセロール3リン酸シャトルでミトコンドリア電子伝達系へ渡される。
NAD⁺/NADHとNADP⁺/NADPH
NAD⁺/NADHは主に異化反応の電子運搬、NADP⁺/NADPHは主に還元的生合成と抗酸化防御を担い、同じニコチンアミド骨格でも細胞内プールが機能分化している。
エネルギー共役とATP加水分解
細胞は発エルゴン反応と吸エルゴン反応をATPなどの高エネルギー中間体で結び、単独では進みにくい合成・輸送・運動を全体として進行させる。
上皮間葉転換
上皮間葉転換は上皮細胞が極性と細胞間接着を弱め、間葉系様の運動性・浸潤性を獲得する可塑的プログラムで、発生、修復、線維化、腫瘍進展に関与する。
細胞老化とSASP
細胞老化は増殖刺激があっても恒久的に細胞周期へ戻りにくい状態で、SASPを介して炎症、組織修復、加齢、発癌抑制と促進の両面へ影響する。
メカノトランスダクション
メカノトランスダクションは伸展、圧、ずり、基質硬度などの機械刺激をイオン流、タンパク質リン酸化、遺伝子発現へ変換する仕組み。
線毛・鞭毛と鞭毛内輸送
運動線毛と鞭毛は9+2軸糸とダイニンで屈曲運動を生み、一次線毛は主に感覚・情報伝達を担い、鞭毛内輸送が構築と維持を支える。
分子モーター
分子モーターはATP加水分解を方向性運動へ変換し、ミオシンは主にアクチン上、キネシンとダイニンは微小管上で力発生と細胞内輸送を担う。
細胞骨格:アクチン・微小管・中間径フィラメント
細胞骨格はアクチンフィラメント、微小管、中間径フィラメントからなり、形態維持、力発生、細胞内輸送、分裂、機械的強度を分担する。
リソソーム分解と細胞内消化
リソソームは酸性加水分解酵素を備え、エンドサイトーシス由来物質、貪食物、細胞内小器官を分解・再利用する細胞内消化区画。
ユビキチン–プロテアソーム系
ユビキチン–プロテアソーム系は、不要・損傷タンパク質へユビキチン鎖を付加し、26SプロテアソームでATP依存的に分解する選択的タンパク質品質管理系。
小胞の標的化とSNARE膜融合
輸送小胞はRab GTPase、係留因子、v-SNAREとt-SNAREの組合せで正しい膜区画を認識し、選択的に融合して積荷を届ける。
エンドサイトーシス・エキソサイトーシス・トランスサイトーシス
小胞を用いる膜交通は、細胞外物質の取り込み、細胞内物質の分泌、上皮を横断する輸送を担い、膜面積と膜タンパク質の配置を動的に保つ。
脂質二重層・膜流動性・脂質ラフト
細胞膜は両親媒性脂質の二重層を基盤とし、脂質組成と温度で流動性を調節しながら、脂質ラフトなどの微小領域に受容体やシグナル分子を集約する。
不死時間バイアス
不死時間バイアスは、曝露群に分類されるまで生存が必須な期間を誤って曝露群の追跡時間へ含め、治療効果を過大評価する偏り。
Bradford Hillの因果基準
Bradford Hillの因果基準は、観察された関連が因果的かを考える九つの視点で、機械的な採点表ではなく総合判断の枠組み。
ハザード比と生存時間解析
生存時間解析はイベント発生までの時間と打切りを扱い、ハザード比は各時点の瞬間的イベント率の相対比を表す。
ROC曲線とAUC
ROC曲線は閾値ごとの感度と偽陽性率を描き、AUCは疾患例を非疾患例より高く順位づける識別能を要約する。
薬理遺伝学と薬理ゲノミクス
薬理遺伝学・薬理ゲノミクスは遺伝的多様性が薬物動態・薬力学・有害反応へ与える影響を解析し、個別化投薬へつなげる。
ヘテロ接合性消失とコピー数変化
ヘテロ接合性消失は一方の対立遺伝子情報が失われる現象、コピー数変化はDNA領域の欠失・増幅で遺伝子量を変える構造変化。
表現促進
表現促進は、遺伝性疾患が世代を重ねるほど若年発症または重症化して見える現象で、反復配列伸長が代表機序。
DNA修復機構
DNA修復機構は損傷の種類に応じ、直接修復、塩基・ヌクレオチド除去、ミスマッチ修復、一本鎖・二本鎖切断修復を使い分ける。
Cori回路とグルコース–アラニン回路
Cori回路とグルコース–アラニン回路は、末梢組織の炭素を肝へ運び糖新生へ戻す臓器間代謝で、後者は窒素も運搬する。
DNA修復不全とゲノム不安定性
DNA修復不全は変異・染色体異常の蓄積を促し、ゲノム不安定性を介して発癌、細胞老化、組織障害を引き起こす。
免疫チェックポイント
免疫チェックポイントはT細胞応答へ抑制・促進シグナルを加え、自己寛容と過剰炎症を防ぐ一方、腫瘍免疫逃避にも利用される。
クラススイッチと親和性成熟
クラススイッチは抗体の定常領域を変えて機能を変更し、親和性成熟は可変領域変異と選択で抗原結合力を高めるB細胞成熟過程。
細胞傷害性T細胞とNK細胞の殺傷機構
細胞傷害性T細胞とNK細胞は、perforin–granzyme系や死受容体経路で標的細胞のアポトーシスを誘導するが、標的認識法が異なる。
血管内溶血と血管外溶血
血管内溶血は循環中で赤血球が破壊され、血管外溶血は脾・肝マクロファージで除去されるため、検査所見と症状が異なる。
視床下部–下垂体–副腎皮質軸
視床下部–下垂体–副腎皮質軸は、CRH、ACTH、コルチゾールと負のフィードバックでストレス応答・代謝・循環・免疫を調節する。
パルス分泌と概日リズム
ホルモンのパルス分泌と概日リズムは、分泌が時間的に変動する基本様式で、受容体応答、検査値、内分泌機能を左右する。
浸透圧クリアランスと自由水クリアランス
浸透圧クリアランスは溶質排泄に相当する血漿水量、自由水クリアランスは溶質を伴わず排泄・保持された水量を表す。
分画排泄率
分画排泄率は、糸球体で濾過された物質のうち最終尿へ排泄された割合を示し、尿細管での正味再吸収・分泌を評価する指標。
肺胞気式とA–a酸素較差
肺胞気式は吸入酸素とPaCO₂から肺胞酸素分圧を推定し、A–a酸素較差は肺胞から動脈血までの酸素化障害を評価する。
Guytonの心拍出量–静脈還流曲線
Guytonの心拍出量–静脈還流曲線は、右房圧を共通軸として心ポンプ機能と全身循環の還流特性の交点から循環平衡を説明する。
Monro–Kellieの法則
Monro–Kellieの法則は、成人の閉鎖頭蓋内で脳実質・血液・髄液の総容積がほぼ一定で、一成分の増加には他成分の減少が必要とする原理。
Golgi腱器官
Golgi腱器官は腱内で筋張力を検出する固有受容器で、Ib求心線維を介して力の調節と過負荷防御に関与する。
Weber–Fechnerの法則
Weber–Fechnerの法則は、弁別できる刺激差が基準刺激に比例し、主観的感覚量が刺激強度の対数に近く増えるという心理物理学の原理。
感覚順応
感覚順応は、一定刺激が持続すると受容器・神経回路の応答が時間とともに減弱し、変化や新規刺激を強調する性質。
長期増強と長期抑圧
長期増強と長期抑圧は、活動パターンに応じてシナプス効率が持続的に増加または低下する代表的な長期可塑性。
Goldman–Hodgkin–Katzの式
Goldman–Hodgkin–Katzの式は、複数イオンの濃度差と相対透過性を統合し、膜電位を近似する電気生理学の基本式。
Nernstの式
Nernstの式は、単一イオンの濃度勾配と電荷から、そのイオンの正味移動がゼロになる平衡電位を求める式。
Gibbs–Donnan平衡
Gibbs–Donnan平衡は、膜を通れない荷電分子が存在すると透過性イオンが不均等に分布し、膜電位と浸透圧差を生む現象。
Reynolds数
Reynolds数は、流体の慣性力と粘性力の比から層流・乱流の生じやすさを表し、血流雑音や気道流の理解に使う無次元数。
受精と着床
受精は配偶子融合で二倍体接合子を作る過程、着床は胚盤胞が子宮内膜へ接着・侵入して母体との交換基盤を形成する過程。
精子形成
精子形成は精細管で精祖細胞が有糸分裂、減数分裂、精子変態を経て半数体精子となる過程で、Sertoli細胞と内分泌が支える。