定義
分子モーターは細胞骨格線維に沿って移動し、化学エネルギーを機械仕事へ変換するタンパク質である。ミオシン、キネシン、ダイニンが代表で、荷物輸送、筋収縮、染色体移動、線毛運動、細胞質分裂などを担う。
イメージ
細胞骨格を線路、分子モーターをATPで走る運搬車と考える。線路の向きとモーターの種類が、荷物が細胞中心へ向かうか周辺へ向かうかを決める。
仕組み
ミオシンはアクチン上を多くの場合プラス端方向へ進み、筋では多数が協調して力を発生する。キネシンの多くは微小管プラス端方向へ、細胞質ダイニンはマイナス端方向へ移動し、小胞、タンパク質複合体、細胞小器官を輸送する。軸索ではキネシンが順行性、ダイニンが逆行性輸送を主に担う。軸糸ダイニンは隣接微小管を滑らせ、その動きをネキシン結合などが曲げへ変換して線毛運動を生む。モーターはアダプタータンパク質で荷物を選び、ATP結合・加水分解・生成物放出を反復して歩進する。
例
長い末梢神経では、シナプス小胞前駆体やミトコンドリアを末端へ届け、損傷シグナルを細胞体へ戻す軸索輸送が不可欠である。線毛運動もダイニン依存である。