定義
長期増強LTPは刺激後にシナプス伝達が長く強まる現象、長期抑圧LTDは長く弱まる現象である。海馬のグルタミン酸作動性シナプスでは、NMDA受容体を介するCa²⁺流入量と時間経過が方向を分ける。
イメージ
同じ接点でも、強く同期した入力は「この結合を重要とする」信号となって増強し、弱く持続する入力は「結合を下げる」信号となる。細胞内Ca²⁺が学習方向を選ぶつまみとして働く。
仕組み
強い高頻度入力ではAMPA受容体による脱分極がNMDA受容体のMg²⁺ブロックを解除し、大きなCa²⁺流入がCaMKIIなどキナーゼを活性化する。AMPA受容体のリン酸化・膜挿入、スパイン増大がLTPを支える。低頻度・持続入力では比較的小さく長いCa²⁺上昇がカルシニューリンなどホスファターゼを優位にし、AMPA受容体内在化を介してLTDを起こす。後期LTPには転写・蛋白合成が必要で、シナプス特異性や連合性を示す。
例
弱い入力単独では増強されなくても、同じ時刻に強い入力で細胞全体が脱分極すると、NMDA受容体が開き弱い入力経路も増強され得る。これは連合学習の細胞モデルとなる。