定義
感覚順応は、刺激強度が一定でも感覚受容器電位、求心性発火、または中枢知覚が低下する現象である。順応速度により速順応型と遅順応型があり、刺激の変化と持続成分を分担して符号化する。
イメージ
部屋へ入った直後は匂いを強く感じるが、しばらくすると意識しにくくなる。感覚系が背景の一定信号を弱め、変化した情報へ処理資源を向けるためである。
仕組み
末梢では機械構造による力の再分配、受容チャネル不活化、Ca²⁺依存性負帰還、セカンドメッセンジャー変化などが受容器電位を低下させる。中枢ではシナプス抑圧、抑制回路、予測・注意による応答低下が加わる。速順応受容器は刺激の開始・終了や速度変化を、遅順応受容器は刺激強度と持続を伝える。痛覚などでは順応が乏しい一方、増感で応答が強まることもある。
例
Pacinian小体は速順応性で、持続圧そのものより振動や圧変化へよく応答する。Merkel細胞–神経複合体は遅順応性で、物体の形や持続圧を伝える。