定義
HPA軸は、視床下部CRHが下垂体前葉ACTH分泌を促し、ACTHが副腎皮質束状層のコルチゾール産生を刺激し、コルチゾールが上位中枢へ負のフィードバックをかける内分泌調節系である。
イメージ
脳がストレスを察知して指令を二段階で副腎へ送り、全身へ動員信号を出す。十分なコルチゾールが出ると、脳へ「もう足りている」と戻り信号がかかる。
仕組み
ストレス、低血糖、炎症、概日入力で室傍核CRHとAVPが増え、ACTH前駆体POMCの切断を介してACTHが分泌される。ACTHはMC2受容体–cAMP経路でステロイド合成を促す。コルチゾールは糖新生、血管反応性、蛋白・脂質代謝、免疫応答を調節し、視床下部と下垂体を抑制する。外因性糖質コルチコイドの長期使用はCRH・ACTHを抑え、副腎皮質を萎縮させ得る。原発性副腎不全ではコルチゾール低下とACTH上昇、中枢性ではACTH低下が基本となる。
例
長期ステロイド投与を急に中止すると、抑制されていたHPA軸と萎縮した副腎が直ちに回復できず、急性副腎不全を起こすことがある。