定義
Guytonの循環モデルは、心拍出量曲線と静脈還流曲線を右房圧に対して描き、その交点を定常状態の心拍出量・静脈還流量・右房圧とみなす。定常時には心拍出量と静脈還流量が等しい。
イメージ
心臓が血液を送り出す力と、末梢から心臓へ血液を戻す力を別々の装置として考え、両者が同時に満たされる一点を循環の運転点とする。片方だけ見ても実際の流量は決まらない。
仕組み
心機能曲線は右房圧上昇に伴う前負荷増加で上向きとなり、収縮力増強で上方移動、心不全で下方移動する。静脈還流はVR = (Pms−Pra)/Rvrで近似され、平均循環充満圧Pmsと右房圧Praの差が駆動圧、Rvrが静脈還流抵抗である。血液量増加や静脈収縮はPmsを上げ静脈還流曲線を右上へ移す。末梢抵抗変化は心拍出と還流抵抗の双方へ影響する。右房圧が十分低下すると大静脈虚脱により還流量は頭打ちとなる。
例
急性出血では循環充満量が減りPmsが低下するため、静脈還流曲線が左下へ移動し、交点の心拍出量と右房圧が低下する。交感神経性静脈収縮はこれを部分的に補う。