定義
有効動脈血液量、有効動脈血液量は、動脈循環のうち圧受容器や腎が「有効な循環充満」として感知する部分を表す機能的概念である。実測可能な単一容積ではなく、心拍出量、動脈容量、血管抵抗、血液分布から決まる。
イメージ
体内に水が十分あっても、ポンプが弱い、血管床が広がりすぎる、静脈側へ偏ると、腎や圧受容器には「動脈側が足りない」と見える。貯水量より配水圧と分布をみる概念である。
仕組み
動脈充満が低下すると頸動脈洞・大動脈弓・腎傍糸球体装置への刺激が減り、交感神経、レニン–アンジオテンシン–アルドステロン系、ADH、口渇が活性化する。Na⁺・水貯留と血管収縮は短期的に灌流を守るが、心不全や肝硬変では全身細胞外液と静脈圧が増えていても、有効動脈血液量低下が持続し浮腫を悪化させる。敗血症性血管拡張でも総血液量に対して動脈容量が過大となり、相対的低下が起こる。
例
心不全では静脈うっ血と浮腫がある一方、心拍出量低下により腎は有効循環量不足と認識し、Na⁺と水をさらに保持する。