定義
ナトリウム利尿ペプチド系は、主に心房由来ANPと心室由来BNPが循環容量・壁応力の増加を感知して分泌され、受容体NPR-Aの膜型グアニル酸シクラーゼを活性化してcGMPを増やす内分泌性体液調節系である。容量過剰に対抗する方向に働く。
イメージ
心臓が単なるポンプではなく、過剰な充満を検知して腎と血管へ「塩と水を捨て、圧を下げよ」と指示する内分泌器官として働く仕組みである。
仕組み
心房伸展はANP、心室壁応力増大はproBNP合成を促し、BNPと不活性NT-proBNPへ切断される。NPR-A活性化でcGMPが増え、血管平滑筋弛緩、輸入細動脈拡張と糸球体濾過促進、集合管Na⁺再吸収抑制、レニン・アルドステロン・ADH・交感神経抑制が起こる。NPR-Cはクリアランス受容体として働き、neprilysinも分解に関与する。慢性心不全では濃度が高くても受容体応答低下、分解、腎機能低下、前駆体処理変化により生物学的効果が不足し得る。
例
心室壁応力が増える心不全ではBNPまたはNT-proBNPが上昇しやすい。ANPは急な心房伸展に比較的速く応答して利尿・血管拡張を促す。