定義
ヘム生合成は、グリシンとスクシニルCoAからδ-アミノレブリン酸を作り、ポルフィリン環を経てフェロケラターゼがFe²⁺を挿入する経路である。初段階と終末段階はミトコンドリア、中間段階は細胞質で進み、赤芽球と肝細胞で重要である。
イメージ
環状の骨格を段階的に組み立て、最後に中央へ鉄をはめ込む製造ラインと考える。工程が途中で止まると前駆物質が蓄積し、その物性に応じて神経・腹部症状や光線過敏が生じる。
仕組み
ミトコンドリアでALA合成酵素がPLPを用いてグリシンとスクシニルCoAからALAを作る。細胞質へ出たALAはポルフォビリノーゲン、ヒドロキシメチルビラン、ウロポルフィリノーゲンIII、コプロポルフィリノーゲンIIIへ変換される。再びミトコンドリアへ入り、プロトポルフィリンIXとなり、フェロケラターゼがFe²⁺を挿入する。肝のALAS1はヘムによる負のフィードバックを受け、赤芽球ALAS2は鉄応答配列を介して鉄供給と連動する。鉛はALA脱水酵素とフェロケラターゼを阻害する。
例
赤芽球では合成されたヘムがグロビン鎖と結合してヘモグロビンとなる。肝ではシトクロムP450などのヘムタンパク質需要に応じて合成が変化する。