定義
一炭素代謝は、テトラヒドロ葉酸誘導体が1炭素単位を受け渡す葉酸回路と、メチオニンからS-アデノシルメチオニンを作りメチル基を供与するメチオニン回路が連結した代謝網である。DNA合成、アミノ酸代謝、エピジェネティック修飾に不可欠である。
イメージ
葉酸を炭素一個分の荷台、S-アデノシルメチオニンをメチル基の配送車と考える。核酸部品を作る工場と、DNA・タンパク質へメチル標識を付ける工場が同じ炭素物流を共有する。
仕組み
セリンなどから一炭素単位がTHFへ移され、5,10-メチレンTHFはdUMPからdTMPへの変換に、10-ホルミルTHFはプリン環合成に使われる。MTHFRは5,10-メチレンTHFを5-メチルTHFへ還元し、ビタミンB12依存性メチオニン合成酵素がホモシステインをメチオニンへ戻す。メチオニンはATPと反応してSAMとなり、DNA、RNA、タンパク質、脂質へメチル基を渡した後SAH、ホモシステインへ変わる。ホモシステインは再メチル化またはビタミンB6依存性トランススルフレーションへ進む。
例
葉酸欠乏ではdTMPとプリン合成が障害され、DNA合成の盛んな骨髄で巨赤芽球性変化が起こる。ビタミンB12欠乏では5-メチルTHFが利用できず、機能的葉酸欠乏が生じる。