定義
Gibbs–Donnan平衡は、半透膜の片側に非透過性の荷電分子が存在すると、電気化学ポテンシャルと電気的中性を満たすよう透過性陽・陰イオンが非対称に分布する平衡である。
イメージ
部屋から出られない負電荷の大きな蛋白があると、正イオンは引き寄せられ、負イオンは押し出される。ただし全体はほぼ電気的中性を保つため、各イオンが単純に均等化することはない。
仕組み
非透過性陰イオンA−が細胞内にあると、透過性陽イオンは内側へ多く、透過性陰イオンは外側へ多く分布する。単価イオンの理想系では平衡時に[陽イオン]in×[陰イオン]in = [陽イオン]out×[陰イオン]outが成り立つ。内側の総溶質粒子数が増えるため水流入圧も生じる。実際の細胞はNa⁺/K⁺ポンプ、選択的透過性、細胞骨格・組織圧によって完全なDonnan平衡から外れ、体積を維持する。血漿蛋白による毛細血管内外のイオン分布にも小さく寄与する。
例
細胞内蛋白は膜を通れない陰性高分子であり、陽イオン分布と浸透圧へ影響する。Na⁺/K⁺ポンプが停止すると、Donnan力に抗しきれずNa⁺と水が細胞内へ蓄積し腫脹する。