定義
血液粘度は流れに対する内部摩擦で、血漿粘度、ヘマトクリット、赤血球変形能・凝集、ずり速度、血管径に依存する。血液は粘度が一定のNewton流体ではなく、低ずり速度で赤血球が凝集して粘度が高く、高ずり速度で配向・変形して粘度が下がるshear-thinning性を示す。
イメージ
水に柔らかい円盤が多数浮いている液体を想像するとよい。円盤が増えたり固くなったりすると流れにくくなるが、細い管では円盤が中央へ並び、壁際に血漿層ができるため単純な濃度計算とは異なる。
仕組み
ヘマトクリット増加は酸素運搬能を上げる一方、粘度を非線形に上昇させ、Poiseuille型抵抗を増やす。低ずりではrouleaux形成が粘度を高め、高ずりでは赤血球が流線方向へ配向して変形する。直径が約300 µm未満へ小さくなるとFåhræus–Lindqvist効果により管内見かけ粘度が低下するが、赤血球径に近い極細血管では再び抵抗が増える。血漿タンパク質、とくにフィブリノゲンは凝集性へ影響し、赤血球膜・細胞骨格異常は変形能を低下させる。
例
多血では酸素含量が増えても血液粘度上昇で微小循環が悪化し、頭痛や血栓傾向につながり得る。鎌状化や球状化では変形能低下が毛細血管通過を障害する。