定義
ユビキチン–プロテアソーム系は、短寿命タンパク質、変性タンパク質、調節タンパク質を選択的に分解する細胞質・核内の主要経路である。E1、E2、E3酵素が基質へユビキチンを付加し、特定のポリユビキチン鎖を26Sプロテアソームが認識してペプチドへ分解する。
イメージ
処分するタンパク質に「廃棄タグ」を付け、タグを読む裁断機へ送る仕組みと考える。タグの付け方で、分解するのか、別の場所へ移すのか、シグナルとして使うのかが変わる。
仕組み
ユビキチンはE1でATP依存的に活性化され、E2へ受け渡され、基質特異性を担うE3リガーゼが標的タンパク質へ結合させる。K48結合型ポリユビキチン鎖は代表的な分解シグナルで、26Sプロテアソームの19S調節粒子が基質を認識し、脱ユビキチン化、ATP依存的展開、20S触媒粒子への送り込みを行う。タンパク質分解により細胞周期、転写、炎症、抗原提示が時間的に制御される。K63結合鎖などは分解以外のシグナルにも使われ、脱ユビキチン化酵素が反応を可逆化する。
例
MHCクラスI抗原提示では、細胞質タンパク質がプロテアソームで分解され、そのペプチドがTAPを介して小胞体へ運ばれる。細胞周期タンパク質の時限分解もE3リガーゼ依存である。