定義
線毛と鞭毛は微小管を芯とする細胞表面突起である。運動線毛・精子鞭毛は主に9+2配列の軸糸を持ち、一次線毛は多くが9+0配列で機械・化学シグナル受容器として働く。鞭毛内輸送はキネシンとダイニンが軸糸に沿って構成タンパク質を往復輸送する仕組みである。
イメージ
細胞表面から伸びる「動くオール」と「感覚アンテナ」を区別すると理解しやすい。オール型は流体や細胞を動かし、アンテナ型は周囲の流れやシグナルを読み取る。どちらも部品を先端まで運ぶ保守路線を必要とする。
仕組み
運動線毛では外腕・内腕ダイニンが隣接微小管二連管を滑らせ、ネキシン結合と放射スポークが滑りを曲げへ変換する。基底小体が軸糸を固定し、線毛打の位相差が粘液や卵を一定方向へ運ぶ。一次線毛にはHedgehog、PDGFR、機械感受性経路などの構成要素が集まり、発生と組織恒常性を調節する。鞭毛内輸送ではキネシンIIが順行性、細胞質ダイニン2が逆行性輸送を担い、軸糸タンパク質と受容体を更新する。構造タンパク質や輸送タンパク質の異常は複数臓器へ影響し得る。
例
気道多列線毛上皮は線毛打で粘液を咽頭側へ運び、卵管線毛は卵・胚の移動を助ける。腎尿細管の一次線毛は尿流による機械刺激を細胞内シグナルへ変換する。