定義
Reynolds数は流れに働く慣性力と粘性力の相対的な大きさを示す無次元数で、Re = ρvd/ηで表す。ρは密度、vは代表流速、dは管径、ηは粘度であり、値が大きいほど流れは不安定となり乱流へ移行しやすい。
イメージ
ゆっくり流れる粘り気の強い液体は整然と層を作るが、太い管を速く流れるさらさらした液体は渦を作りやすい。その「渦になりやすさ」を一つの数字にまとめたものがReynolds数である。
仕組み
管内流では流速、管径、流体密度が増えるとReynolds数が上がり、粘度が増えると下がる。十分に低いReでは各流体層が平行に滑る層流となり、Poiseuilleの法則が近似的に成立する。Reが臨界域へ近づくと入口形状、分岐、狭窄、脈動などの擾乱で乱流が生じやすくなり、エネルギー損失と圧較差が増える。生体の臨界値は剛体直管の一定値をそのまま当てはめられず、血管の弾性や拍動性、気道分岐も考慮する。
例
貧血では血液粘度が低下し、同じ血流量でもReynolds数が上がるため、構造的狭窄がなくても機能性心雑音が聞かれることがある。弁狭窄部では流速上昇も乱流を促す。