定義
Monro–Kellieの法則は、頭蓋骨が非伸展性とみなせるため、頭蓋内容積を構成する脳実質、血液、髄液の総和が短時間ではほぼ一定であるという頭蓋内圧の基本原理である。
イメージ
満杯で硬い箱の中に脳、血液、髄液が入っている。一つが増える初期には別の内容物を外へ逃がせるが、逃げしろを使い切ると小さな容積増加でも圧が急上昇する。
仕組み
腫瘤、浮腫、出血などで頭蓋内容積が増えると、初期には髄液が脊髄腔へ移動し、静脈血が排出されて代償する。この期間は容積増加に対するICP上昇が小さい。代償予備能が枯渇すると圧–容積曲線が急峻となり、わずかな追加容積でICPが大きく上昇する。ICP上昇はCPP = MAP−ICPを低下させ、虚血と細胞性浮腫を悪化させる。圧較差が生じると脳ヘルニアへ進む。
例
硬膜外血腫が初期には比較的無症状でも、血腫増大が代償限界を超えると急速に意識障害や瞳孔異常を生じ得る。臨床悪化が血腫容積に直線的でない理由を説明する。