定義
心室–動脈カップリングは、心室の収縮末期エラスタンスEesと、動脈系が心室へ与える実効的後負荷である動脈エラスタンスEaの相互関係である。一般にEa/Ees比を用い、心室が動脈負荷へどれだけ適合して血液を効率的に送り出すかを示す。
イメージ
ポンプの強さと、それにつながる配管の抵抗・弾性が釣り合っているかを見る概念である。強いポンプでも配管が硬すぎれば効率が悪く、柔らかい配管でもポンプが弱ければ十分な流れを作れない。
仕組み
Eaは近似的に収縮末期圧/一回拍出量で表され、末梢抵抗、動脈コンプライアンス、心拍数、脈波反射をまとめた実効負荷である。EesはESPVRの傾きで収縮性を表す。Ea/Eesが高いほど動脈負荷に対して心室が弱く、駆出率と機械効率が低下する。運動時には交感神経によりEesが増え、血管調節も加わって拍出予備能を確保する。心不全ではEes低下またはEa増加により不適合となり、代償的収縮性上昇は酸素消費を増やすことがある。
例
収縮不全でEesが低下し、同時に血管収縮でEaが上昇するとEa/Ees比が増え、少ない一回拍出量に対して高いエネルギー負担がかかる。