定義
酸素供給量DO₂は心拍出量と動脈血酸素含量の積、酸素摂取量VO₂は組織が単位時間に消費する酸素量である。酸素抽出率O₂ER = VO₂ / DO₂ =(CaO₂−CvO₂)/CaO₂で、供給された酸素のうち組織が取り出した割合を示す。
イメージ
酸素を積んだ配送車が組織へ届き、荷物の何割を降ろしたかを抽出率と考える。配送量が少し減っても降ろす割合を増やせるが、限界を超えると必要量を確保できない。
仕組み
DO₂ = CO × CaO₂で、CaO₂はHb濃度とSaO₂に強く依存する。通常VO₂は代謝需要で決まり、DO₂が低下すると毛細血管通過時間、微小循環再分配、Hb酸素解離、ミトコンドリア利用によりO₂ERが上昇し、SvO₂は低下する。臨界DO₂以下では抽出の予備能が尽き、VO₂がDO₂依存性となり、嫌気代謝と乳酸増加が起こる。敗血症などでは微小循環不均一、シャント、ミトコンドリア機能障害により、静脈酸素飽和度が保たれていても局所低酸素があり得る。
例
出血性ショック初期では心拍出量低下に対し抽出率が増え、SvO₂が低下する。輸血でHbが増えるとCaO₂とDO₂は増えるが、VO₂が増えるかは需要と抽出制限に依存する。