定義
経壁圧は、膜や管壁の内側圧と外側圧の差であり、Ptm = Pin − Poutで表される。陽性なら構造を広げる方向、陰性なら圧迫・虚脱させる方向に働く。絶対的な内圧だけでなく周囲圧を考慮することで、心血管・呼吸器の力学を共通に説明できる。
イメージ
風船の内圧が同じでも、周囲が真空に近いか強く押されているかで膨らみ方は違う。壁が感じるのは内圧そのものではなく、内外の差である。
仕組み
血管では血管内圧−組織圧が経壁圧となり、静脈は壁が薄いため周囲圧上昇で容易に虚脱する。心腔では腔内圧−心膜圧が真の充満圧に近く、胸腔内圧や心膜圧が高いと測定圧が高くても経壁充満圧は低いことがある。肺胞では肺胞内圧−胸腔内圧が経肺圧で、肺を拡張する。気道では気道内圧−胸腔内圧が低下すると呼気時に動的圧迫が起こる。Laplaceの関係により、経壁圧と半径は壁張力・応力へ結びつく。
例
人工呼吸で胸腔内圧が上がると中心静脈圧は上昇して見えるが、右房経壁圧と静脈還流が同時に増えているとは限らない。