定義
薬力学的相互作用は、一つの薬が他薬の濃度・曝露を変えず、受容体、シグナル、臓器機能、恒常性反応の段階で効果または有害反応を変える現象である。二薬の組合せは相加、相乗、増強、薬理学的・生理学的・化学的拮抗などに分類できる。
イメージ
二人が別々に押した力の合計になるのが相加、合計以上に大きくなるのが相乗、単独ではほぼ効かない一方が他方を強めるのが増強、反対方向へ押すのが拮抗である。
仕組み
相加作用ではEAB ≈ EA + E_Bとなる範囲があり、同じ鎮静系へ作用する薬の併用などで起こる。相乗作用は異なる段階を同時に抑える場合などに合計以上の効果を示す。増強では一方の単独効果が乏しくても他方の作用を高める。競合的受容体拮抗はアゴニスト用量反応を右方移動させ、生理学的拮抗は別受容体系で反対の生理作用を起こし、化学的拮抗は直接結合・中和する。治療効果だけでなく呼吸抑制、出血、QT延長など有害作用も加算・相乗する。
例
中枢抑制薬同士の併用では、各薬の血中濃度が変わらなくても鎮静・呼吸抑制が増強される。異なる部位で凝固を抑える薬の併用では出血リスクが加算以上になることがある。